感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
152
色々難ある本でお薦めには向かない。が、面白かった。地の文の中に会話を紛れ込ませる手法で読みにくい。訓練により2頭のイルカが英語を話せるようになるのだが。権謀術数うずまく国家の陰謀に巻き込まれていく。ヴェトナム戦争当時の状況とからめて人間の愚かしさや残酷さと平和を願うイルカたちが対比的に描写される。後半はスリリングでスピード感が出て来る。終わり方は絶望の中にもやや希望を感じさせる。カタルシスを期待してはいけない。2022/06/23
おだまん
10
再読。お気に入り映画の原作。イルカとの会話が活字になっているとよりSF色を感じるのだが、キモは政治的な心理戦。昨年ニュースになったロシアのスパイ白イルカのウラディーミルを思い出して現実になったんだなぁと思う。この時代の冷戦の緊張感は正直現在進行形ではとも思う。ラストに希望を持ちたい想像の余地を持たせてあるのが救い。2025/07/19