感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
110
ケイン号をしかるべく運航させるため、副艦長以下が艦長に対し起こす反乱。その過程や、その後の彼らの正しさを立証するための軍法会議など、ページをめくる手がとまらなかった。そして、ケイン号は艦長を正式に変えて沖縄へと向かう。ここでケイン号が向き合うのは、神風特攻隊であり、アメリカ海軍の視線で特攻隊を見るのは複雑だ。語り手ウィリーの人間の成長も同時に描かれるが、いわゆる身分の違いに気づくことと、自分の愛を確認するのは別の話ではないかと思った。2016/05/09
まふ
13
(全体感想は上巻)この作者はユダヤ人らしいが、作中、副長マリックの無罪を勝ち取った弁護人グリーンウォルド少佐もユダヤ人。やはり、ユダヤ人は知的に重要な場所で活躍するものだ。ローマ帝国以来ヨーロッパキリスト教徒のユダヤ人嫌いの根深さを突き抜けて彼らは常に存在価値を作り上げていくのだと改めて思う。2021/12/14
鐵太郎
12
ウィリー・キースとメイ・ウインの、現代から見ると何ともまだるっこしいラブシーンから始まります。身分の違う二人の恋はどうなるのかというやきもきのあと、ケイン号にもどるとこれがまた大変なことに。前巻で登場した新任のクィーグ艦長の、規律第一を叫ぶくせに無責任で怠惰で無能で責任転嫁する性格が露わになります。狭い艦内で絶対者の艦長として君臨している中で威張り散らすのですが、その臆病さと無能ぶりについに副長マリックが叛乱を起こすところまでが、この巻。しかしそれを焚きつけた者がいたのでした。2018/05/20
Mikarin
4
海洋モノでは有名な2巻目。台風の中での航行シーン&反乱勃発の描写が圧巻2015/09/12