感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aminadab
25
執筆順では10作目の最終巻。「スループ艦編」第1巻。仏革命・ナポ戦争中英国海軍が何をしていたかといえば、要するに仏海軍が逃げこんだブレストとツーロンの両軍港を封鎖していたわけで、この最終巻で作者はブレスト港封鎖に全力投球、思い切ってリアル寄りの筆致で描きつくす。前巻までの脱力系ユーモアとは対照的に、本巻の主人公はかなり重くシリアス。内容も1803~05年にわたり10巻中でいちばん分厚い。しかしブレスト港とブルターニュ海岸の描写は詳しく手に取るようで、読んでいちばん勉強になるのはこの巻かな、という印象あり。2023/01/06
shiro
6
ホットスパーいい艦だったなあ。徹頭徹尾無私無欲であるホーンブロワーにじりじりしつつも好感。マリアに対する印象も読み手の中ではどんどんよくなっているけどホーンブロワーの中ではそうでもなさそうな辺りが悲しい。海佐昇進おめでとう。上と下とに挟まれる中間管理職の悲哀をこれでもかというほど詰め込んだ話。これからどんどんのぼりつめていってほしいね。2017/11/26
Aki
6
予想以上に良かった。古き良き帆船時代の物語であるが中間管理職の成功物語として秀逸。単なる出世物語ではなく日々苦悩しながら成長して行く過程を泥臭く表現されていて結構身につまされる。2013/09/08
けるぴー
5
シリーズ第三巻では波と風と結婚生活に苦悩するホーンブロワーが描かれる。言うまでもなくより困難なのは後者であるようだ。非常に人間らしい苦労を背負うホーンブロワーであるが、同時に彼の高潔な精神がより顕著に描かれてもいる。読後にはこれが物語であることも忘れ、ホーンブロワーへの賞賛の念を禁じえない。2010/09/13
コウ
4
海尉艦長として初めて自分の船を任されたホーンブロワーが、英海軍中でも一番小さい艦船、ホットスパー号を自在に操り、大活躍をする。所々に挿入されるホーンブロワーの私生活、特にマリアとの、ぎこちなく気詰まりな新婚生活がいいアクセントになっている。個人的には当番兵ダウティとの出会いと別れの場面が好き。シリーズ中でも部類の面白さ。2021/09/18
-
- 和書
- 憲法概要 (増補版)