出版社内容情報
「あなたは、鋏が好きですか?」全身黒服の女子高生・黒が囁き、〈奇傾城〉で人間の首が切断される。悪魔的なトリップ体験が襲う!
【目次】
内容説明
奇妙に傾く狂気の城、奇傾城―血と内臓と腐肉が主題の絵画が集うその一室に、幽霊が出没するという。“探偵”亜久は心霊特番に呼ばれ、城を訪れた。そこで“霊能者”役の全身黒服の女子高生・黒が現われ、亜久にそっと囁く。「あなたは鋏が好きですか」まもなく、黒と親しい男が、密室状況の“幽霊部屋”で無残に首を切断された。この凶行は幽霊の呪いなのか?怖さと切なさが襲いかかる、純愛(恋愛)本格ミステリ。
著者等紹介
飛鳥部勝則[アスカベカツノリ]
1964年新潟県生まれ。新潟大学大学院教育学研究科修了。1998年『殉教カテリナ車輪』で第9回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukaring
66
幽霊が出るという奇形の城に不気味な収集品、首のない死体…。怪奇趣味全開のゴシック調ミステリ。奇妙に傾いた城、奇傾城。幽霊画がひしめく「絵画の間」や「人形の間」そして奇形のフリークが展示された「見世物の間」この城へ心霊番組のロケ班にやって来た一行。嵐が吹き荒れる深夜、幽霊が出るという部屋で過ごしたディレクターの蒲生が首を切断された死体で見つかる。鍵の掛かった密室の中で誰がどうやって?闇を纏ったかのような“霊能力者”の少女・黒。彼女をめぐる歪な愛と狂気。阿鼻叫喚の地獄へと吸い込まれそうな飛鳥部節が炸裂の怪作。2026/02/11
森オサム
39
相変わらず「本格ミステリ」と言われると何か一言言いたくなる著者の作品なのですが、文庫化で即購入。またもや分析不能のキテレツ作品でしたが、頑張ってみると…、フリークの競演はホラーとしては有り、しかしミステリとしては叙述トリック、密室トリック、そして真犯人とアンフェアギリギリ?な感じ。ではこの変態と異常者と殺人鬼ばかり出て来る物語の魅力は何なのか。それはすでにタイトルに全て書いて有った、「黒と愛」。このヒロインとそれに群がる人達との哀しい愛の物語なのだ。そして黒の成長の物語だったと気付くラストシーンも、良い。2026/02/07
Shun
38
最近のミステリ界隈で立て続けに復刊されている作家・飛鳥部勝則ですが、少し波に乗り遅れたようで本作が初読みです。復刊第一弾だったと思いますが「堕天使拷問刑」という作品で初めて知ることとなったゴシック×ミステリな作風の作家で本作もその系統に属しており、ダークな世界観と奇天烈な舞台装置は例えば江戸川乱歩が創作していた時代のミステリを彷彿させる。そしてゴシックな作風で異形な愛の形を描き、その精神性は理解が追い付かないが癖になる。ナンセンスもあるが、ロジック重視の本格以外にもこんなミステリがあることを再確認した。2026/02/03
たかはし
5
心霊スポットの取材としてとあるいわく付きの城へ赴いた取材班と霊能者と称する女性、示門黒。そこで殺人事件が起きるが、あっさりと犯人が特定される。しかし本番はそこから、黒の歪んだ精神と犯人を含む周りとの歪んだ関係が明かされていく。それら全てを破壊する後半の展開は突飛であるが、その怒涛の勢いに圧倒され、爽やかで寂しいラストには魅了された2026/03/07
鰹よろし
4
クレセント錠、ビックリ?いやウィンチェスターハウス、レバーアクション、えっっこの密室トリックの構想ってまさか「ターミネーター2」から来てるんじゃ・・・。見かけの美醜に対する反射及び反応、それに伴う偶像と実像の感応の先。行き場を失い矛先を失い還る場所取り繕うカタチすらも見失った俺の中に自らの内側にもあったドロドロぐちょぐちょの愛に飲み込まれながらサムズアップ。2026/02/01




