出版社内容情報
自分たちはいったい何者なのかと問いながら星々を巡るテラとダイオード。宇宙漁師たちの活躍を描く大人気シリーズ、ついに完結!
内容説明
もう人間じゃない、粘土嬢―。自分たちの身体に起こった変化を知ったテラとダイオードは、汎銀河往来圏をフラジャイリャンの脅威から守るため、各地の放散現象を抑えながら、すべての元凶であるエダとマギリの確保を要求される。ふたりは素性を隠して、防軍第八軍へ加わることに。そのいっぽう、エダとマギリはとある目的のために銀河を放浪しており…壮大なる大宇宙ロケット漁業SF、クライマックスの第4巻!
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている。2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得。2009年からおよそ10年にわたり展開された壮大なSF大河シリーズ『天冥の標』(全10巻)で2020年、第40回日本SF大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
32
2025年1月ハヤカワ文庫JA刊。書き下ろし。シリーズ4作目。いやーまたまた予想を裏切る進展で、テラとダイオードの冒険譚は尽きることを知らずというノリが凄まじい。さすがにこれで、完結ですか。とんでもないところまで連れてこられてしまいましたよ。もっとあっても良いと思います。2025/02/28
信兵衛
19
最終巻。 気付けば、セクシュアリティの問題等、現代における社会問題要素も織り込んだストーリーでした。2025/02/28
本の蟲
18
故郷のガス星雲での水揚げ資源。昏魚・AMC粘土・異星種族の関係性。それに付随する自分たちの身体と性と繁殖について。様々な秘密と未来への展望が示された宇宙漁×百合SF完結巻。縦横無尽に惑星大気を飛ぶ礎柱船〈ピラーボート〉の変形と網打ちは、読んでいるだけでワクワクするが、ぜひ映像でも見たい。さらに銀河系規模の事象から個人的な想いまで、「粘土に干渉する精神脱圧〈デコンプレッション〉」というアイディア一つでまとめあげてる構成が素晴らしい。2025/01/27
かもすぱ
13
最終巻。ツインスターがどんなサイクロンでランナウェイするのか毎回楽しみにしていた。ド派手な展開の裏で我々は何者か、我々の意志は本当に我々のものか、我々の子は我々の子なのかをじっくり悩むストーリー。「一方その頃ゲンドー氏では」パートもケレン味があって好き。ゲンドー氏の異端が集まってるから面白いのは当然。そしてエダ達との決着とカムバックそれからランナウェイ!気持ちのいい奴らの完結。2025/03/30
ある計算円
10
私は作者の「天命の標」がいつか映像化されることを切に願っているのだが、いかんせん大作につき重要な内容が多すぎて(難しいかもしれんな…的な)複雑な気持ちを抱いている。その点、本作は4冊に収まり、コミカライズもされているので、もしや…!!と思っている。夢中になって最後まで読み切った作品。SF要素も主人公たちのキャラクター性も好き。2025/03/10
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