出版社内容情報
特典の配付は終了いたしました。(2025/7/22追記)◆【書店限定書下ろしSS付き!!】
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特典は無くなり次第終了となりますのでお早めに!
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中学生のタクマを待ち受けていたのは、魔術崇拝者の祖父の密室死、ある一族の女三人の斬首、「月へ行きたい」と呟く謎の少女……
内容説明
魔術崇拝者の祖父が密室で怪死した。中学生の如月タクマはさらに、ある一族の女たちが祖父の召喚した悪魔により斬首されていたという噂を知る。やがてタクマは転校先で「おまえツキモノイリだろ」と謎の罵倒を浴びせられる。タクマは「月へ行きたい」とつぶやく少女、江留美麗に不思議と心慰められるが、斬首事件が再び…純愛と推理が融合するボーイミーツガール・ミステリ。
著者等紹介
飛鳥部勝則[アスカベカツノリ]
1964年新潟県生まれ。新潟大学大学院教育学研究科修了。1998年『殉教カテリナ車輪』で第9回鮎川哲也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
79
噂の飛鳥部さんを初体験。悪魔崇拝やツキモノ祓い、一瞬のうちに斬首された遺体、オカルト風味たっぷりの変格ミステリはかなり私好みの世界観。中学生のタクマは両親の事故死により田舎の名家である祖母宅・大門家に引き取られる。しかし学校で向けられる不穏な視線と「ツキモノイリ」という謎の罵声。そして新しい友人によると亡くなった祖父は魔術崇拝者の噂があり、更に密室で不可解な死を遂げていた…。田舎の因習と絡み合ういびつな同調圧力に次々と起こる凄惨な事件、彼を助ける謎の美少女。これは確かに「魔書」と言うのにふさわしい1冊。2025/04/04
森オサム
54
何とも不思議でアンバランスな作品。ホラー、ミステリ、青春小説がぶち込まれているが、上手く融合していたのかは良く分からない。ミステリとしてはバカミスでしょう。これだけ長々と読んで来て、伏線を回収して整合性を取りました、と提示された物がこれなのか、と言う脱力感は拭えない。しかしつまらなかったのかと言うとそんな事は無く、とても面白かった。ボーイミーツガール。最後にそこに辿り着き、その余韻で全て良くなったからかも。後年昔を語った手記の体裁のせいか、中学一年生とは思えない思考、言動でしたが、それも読み易かった要因。2025/05/18
ばんだねいっぺい
26
鈍器本と呼ばれる分厚さなのにすいすい読める抜群のリーダビリティーと幻想怪奇ミステリ好きの願望をこれでもかと託したような物語。青春物語だと思ったり。2025/03/22
えも
25
なぜこれを読もうと思ったのかは忘れてしまいましたが、結果として面白かった▼両親が突然亡くなり、母の故郷の田舎に引き取られた中一の如月タクマが、祖父を始めとする一族の殺人事件に巻き込まれる。それが横溝正史の小説のごとく因習にとらわれた昭和の世界のようで、おどろおどろしいわ、ペダンチックだわ、そりゃもう堪らんわ、ていう感じ▼他の作品も読んでみたくなったよ!2025/07/07
佐倉
24
こんなに分厚いのにこんなに楽しい。ツキモノイリの因習、悪魔を召喚した祖父の不可解な変死事件、村外れに建てられた逆さのバベルの塔、魔女……と奇妙な要素が混じり合いながら進む一作。オカルトとホラーとミステリがドロドロと錯綜する展開ながら、切ない青春ラブストーリーでもあって総じて凄く爽やかな読後感。中盤で不二男が送り付けてきたエッセイ『オススメモダンホラー』が浮いているようでいて現代パートのA先生にとっては全体の縮図となっていて重要なポイント、とか凄く面白い構成。2025/02/15