出版社内容情報
対ジャム戦略のためクーリィ准将は特殊戦にアグレッサー部隊を新設。雪風も参加し、地球連合軍の戦闘機との模擬戦に臨むが……。
内容説明
ロンバート大佐を介在させたジャムは、対人類戦に勝利し、地球への侵入を果たした―それがFAF特殊戦の分析だった。ブッカー少佐は、特殊戦の生き残りのため雪風ら機械知性たちの対ジャム戦略を探ることを提言する。クーリィ准将は“ジャムを演じる”アグレッサー部隊を新設、地球から帰還した雪風とレイフの参加を決定するが、それはフェアリイ星に思いがけない戦況をもたらすことになる。新局面のシリーズ第4作。
著者等紹介
神林長平[カンバヤシチョウヘイ]
1953年生、長岡工業高等専門学校卒、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるを@お試しアイコン実施中
40
🌟🌟🌟🌟🌟。単行本で一度読んだので再読。面白かった。単行本の時はいきなりコレから読んだのだが、今回は『グッドラック』から続けて読んだので自分の中で内容の響き方が違った。地球は侵略された、とか特殊戦はジャムになる、とか発想がいちいち凄い。展開も全然先が見えずスリル感がたまらない。田村伊歩という零よりも危険なパイロットの登場がアツい。まるでZのカミーユのようなヤバさがある。『グッドラック』で出撃して今作で帰還。物語時間は数日間だろうけど実時間はおよそ四半世紀。笑。文章にツッコミどころはある。笑。2025/02/07
mahiro
18
久々の『雪風』ストーリーも半分忘れかけていたが目にした以上読まねばならぬ、零が随分人間らしくなっていた…普通に会話したりジョークっぽい言葉まで…成長したね。既に地球はジャムに汚染されている、何度読んでもジャムとは何か理解できないが分かりやすい異星人の侵略物で無いのがこの作品の魅力でもある。新登場人物の田村伊歩のキャラクターが強烈だ、いつもながら戦闘シーンは良い「戦略的な休日」の零とブッカー少佐の会話、零を迎えに来た?雪風が可愛い。伊歩は自分が雪風を操縦する気満々だなぁ 2025/04/21
本の蟲
15
異星体ジャムは対人類戦に勝利した。地球は汚染され、迎撃組織FAFのAI群は哲学的な死を迎えて沈黙する。しかし負けたのは地球人であって、惑星フェアリーで戦う特殊戦の人間たちではない。准将が示した次の一手は…「われわれはジャムとなる」。ジャムの正体をめぐる哲学問答から、再び空戦SFとして盛り上がりを見せる国内SF第一人者の代表シリーズ4作目。地球で噂される陰謀論。ジャム・FAFマッチポンプ説を追認するような展開が皮肉。しかし人知を超えた観測不能な相手への戦争で、きちんと方向性を示せる准将の傑物っぷりが光る2025/05/21
duzzmundo
11
雪風の4作目。なんだか雪風のシリーズは居住まいを正して読んでしまうというか、そうしないと展開についていけずに置いていかれるというか。そう、人類はジャムと戦っているのです。まさにそんな感じで通常の文章もまったく気が抜けません。小難しくて気の抜けない長めの前置きから、後半の飛行戦闘シーンに入ると一気に緊張感が高まります。そうです、ジャムが現れるわけですね。すでに次巻も出てるようなのですぐ読んでしまおうかと検討中。もしくは最初から読み直そうかとも考え中。とにかくおもしろいです。2025/04/03
イコ
7
神林長平のライフワーク。前作でハードSFっぽくなったので、気合い入れて読み始めたら1、2作目の雰囲気に戻っていたので、実家のような安心感で読めた。敵を演じるアグレッサー部隊の新設により、現状変更を狙う展開はこの小説のテーマならではで、凄いしっくりくる続編だった。新キャラの田村伊歩は新三部作においてかなり重要なキャラになりそうなので続編もすぐに文庫落ちして欲しいです。2025/05/06