出版社内容情報
進行していく温暖化と、世界各地で相次ぐ戦
乱。われわれは地球と共に生きていく資格が
あるのか?――22人のSF作家が考察する。
内容説明
深刻化する気候変動と資源問題、相次ぐパンデミック、そして止むことのない紛争と戦乱。われわれ人類は、この惑星で生きていく資格があるのか?気鋭のSF作家たちが、かけがえのない地球と、そこに存在する生命に提示する、22の可能性とメッセージ。はたして人類の未来はどこにあるのだろうか?『ポストコロナのSF』『2084年のSF』『AIとSF』に続く、日本SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第4弾。
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
温暖化する気候変動と資源問題、相次ぐパンデミック。そして止むことのない紛争と戦乱。22人のSF作家が地球と生命をテーマに寄稿する書き下ろしアンソロジー。それぞれの作家さんが思い描く地球と人類の未来とその結末は、これだけの数の物語があるとどうしても玉石混交感があるのは否めませんでしたけど、同じ地球上という舞台でも作家さんによってこんなに変わるんだなという独創性を楽しむことができました。個人的に壮大だった春暮康一さんの「竜は災いに棲みつく」、ブラックユーモアが効いていた「一万年後のお楽しみ」 が良かったです。2024/06/27
小太郎
32
日本SF作家クラブ編集のアンソロジー。『ポストコロナのSF』に続いて読んでみました。今旬のSF作家22名の書下ろしというだけでも凄いなあと思ってしまいます。テーマは「地球」前書きにもあるように色々な作品があり楽しめました。若干混交玉石的な所はあるけど、22作品もあればそうなりますよね。この中で気に入ったのは春暮庸一「竜は災いに住み着く」伊藤隆之「ソイルメイカーは歩みを止めない」柴田勝家「一万年後のお楽しみ」琴柱遥「フラワーガール北極へ行く」特に春暮さんの想像力にはSFを読む醍醐味を感じました。★42025/09/10
いちろく
21
日本SF作家クラブによる「地球」がテーマの『地球へのSF』短編集。テーマが膨大な分、同一テーマであっても作家ごとに描かれる内容は千差万別。一方でSF作家が描く分、幅広く見るとある種の傾向や方向性が出てくるのも、また一興にも思えた。合う合わないと言うよりも、各作家が紡ぐ世界観を楽しむ作品集のようにも感じた。2024/08/14
おーすが
18
ポストコロナ、2084、AIと続くSF作家クラブのアンソロジー新作。今読みたい作家さんが詰めこまれてて楽しい。笹原千波「夏睡」に新しいSFファンタジーの息吹を感じた。春暮康一「竜は災いに棲みつく」この人…さてはゴジラとか書ける人だな!空木春宵「バルトアンデルスの音楽」ぎゅむー、肉肉しい世界観に引きずり込まれる怖さ。塩崎ツトム「安息日の主」付加価値社会を笑いつつも片足突っ込んでる悲しみ。柴田勝家はコロナの福男の話に似て楽しい。ずっと読める。津久井五月「クレオータ」がベスト、美しい時間SF。円城塔は円城塔。2024/08/15
本の蟲
18
ここ数年、随分積極的に出している日本SF作家クラブ編のアンソロジー。テーマが壮大すぎてまとまりのない作品群になるのでは、と心配したが、読み終えるとどれも「地球」を意識させられる良アンソロ。やはり気候変動・終末ネタも多いが「黄昏時の諦観」「リアルタイムでの改善抵抗策」「変化と適応」「未来での環境復元案」「地球脱出」等、向き合い方は様々で楽しめた。人の愚行録をブラックユーモアたっぷりに書いた「1万年後のお楽しみ」。地球の音楽という浪漫あふれるフレーズから、予想外に展開した「バルトアンデルスの音楽」がお気に入り2024/06/08