出版社内容情報
18世紀ブルボン王朝終焉目前のパリ。公妃マリー=アメリーと大尉ボーフランシュが密室と血文字に彩られた謎多き殺人事件に挑む!
内容説明
1782年5月、フランス国王ルイ16世の従妹にしてパンティエーヴル公妃マリー=アメリーは、ヴェルサイユ宮の施錠された自室でオペラ座演出家の刺殺体を発見。遺体は聖書の切れ端を掴み、血文字を残していた。その傍らには意識を失くした男、ボーフランシュ大尉ジャン=ジャックの姿が。マリー=アメリーは、犯人として投獄されかけていた大尉を相棒に、事件解決に乗り出すが…第10回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作。
著者等紹介
宮園ありあ[ミヤゾノアリア]
1968年生まれ。千葉大学大学院人文社会科学研究科博士前期課程修了。2020年、本書(出版に際し『ミゼレーレ・メイ・デウス』から改題)で第10回アガサ・クリスティー賞優秀賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukaring
68
フランス革命の直前の1782年。国王ルイ16世の従姉妹、公妃マリー・アメリーがボーフランシュ大尉と共にヴェルサイユで起きた殺人事件を解決するバディミステリ。知らずに2作目から読んでしまったので1作目に戻り読了。全盛期のフランス宮廷の華やかさに、美しいマリー・アントワネットの輿入れやデュ・バリー伯爵夫人との諍いなど史実に基づいた逸話も描かれとても興味深い。オペラ座の演出家が聖書の切れ端を握り血文字を残して刺殺された事件の謎。公妃の抜群の行動力や実直で不器用な大尉、切れ者のサンソンのキャラなども楽しかった。2025/02/20
geshi
26
ルイ16世時代のフランスで繰り広げられる探偵活劇。人物名だけでも聞きなれないのに役柄の名称もあるから、なかなか人物が頭に入ってこない。『ベルサイユのばら』そのままの装飾に凝った煌びやかな貴族世界が広がり、歴史に素養のない自分でも引き付けられる。気高くも行動的な公妃と粗野で感情に振り回されがちな大尉のデコボコバディ感がエンタメとしての面白さを担保している。くっつきそうでくっつかない2人、誰かをかばう容疑者、過去を探す旅路、クライマックスに現れるヒーロー、ストーリーの筋立ては完全にサスペンスドラマ。2025/02/28
ち~
26
18世紀フランスが舞台。公妃宅で殺人事件が発生。現場に倒れていた大尉に容疑がかかるが、公妃は彼の身元を引き受けて共に犯人探しに乗り出す。掴んだ手掛かりは不発の連続で謎解きは混迷。時代背景を上手く取り入れていて、公妃の孤独、大尉の出自をはじめ、事件を取り巻くストーリーも良く、ミステリー共に読み応えがあった。華やかなヴェルサイユや貴族の生活なども楽しめた。処刑執行人サンソンがお気に入り。次作も読みます!2024/03/12
若黎
23
思っていたより面白かったので一気に読了。続編も出るらしいので読んでみようかな。2024/01/29
み
21
読み始めに苦戦しました、名前が覚えられず(^^;途中からは、楽しみました♪お話しも一転二転と。2作目もロマンス色は薄くだとイイな。2024/11/03