出版社内容情報
妊娠を義務付けられた女性が男たちを「食べる」世界を描く表題作や単行本未収録作等、今を反映し性と人間に鋭く切り込む全6篇!
内容説明
遠い未来、地球軌道上の人工衛星で暮らす女たちは、クニを守るため子供を産むことを義務付けられていた。ただし妊娠するには地上に棲む男を文字通り「食べる」ことが必要で―衝撃的な設定がネット上で物議を醸した表題作「ピュア」や、感染症が蔓延した世界で、自らをサイボーグ化した少女娼婦と病弱な令嬢のコンタクトを描いた単行本未収録作「身体を売ること」など、性と人間のありように鋭く切り込む全6篇を収録。
著者等紹介
小野美由紀[オノミユキ]
1985年東京生まれ。慶應義塾大学文学部フランス文学専攻卒。2015年にエッセイ集『傷口から人生。』(幻冬舎文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
51
村田沙耶香さん×SF×性といったかんじの本であった!おらく村田沙耶香さんが好きな人にはハマる小説。妊娠するために文字通り男を食べないといけない世界になった表題『ピュア』。なかなかのインパクト。こういう常識を揺さぶられるような小説はたまに読みたくなる。2024/11/26
よっち
27
地上に棲む男たちを文字通り食べることが必要とされる変わり果てた世界で葛藤する女の子を描いた表題作ほか、性と人間のありように鋭く切り込む全六篇の短編集。常識が激変した未来で大切な存在のために生きようとした少女の葛藤、幼馴染の性的な変身をめぐって揺れ動く複雑な思い、身近な友人が別の何かに転換した時にどう振る舞うべきなのか、未曾有の実験により12人の胎児の母となった研究者、ピュアの別視点から描かれた物語、サイボーグ化した少女娼婦と病弱な令嬢のコンタクトなど、価値観を揺さぶってくる強烈なインパクトある一冊でした。2024/01/05
Gigafly
19
全体として、読後に強い不快感や違和感が残るSF短編集だったが、それ自体が"女性"や"社会的地位"、ひいては"人間"そのものの「らしさ」とは何かを考えさせるための、きわめて誠実なアプローチなのだと感じた。個人的には「To the Moon」「身体を売ること」が好み。2025/12/21
えつ
6
苦手なSF系のお話だっけど、性と生がテーマになっていて読みやすさがあった。色々と考えさせられる内容ではあったけど、女性としての生きづらさ、弱さが詰まっていたと思う。「バースデー」が好きだったな。2024/09/24
ソラ
6
性にまつわるディストピアSFな短編集。2023/12/04
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