出版社内容情報
ついに故郷を飛び出したテラとダイオード。想い合うパートナーとして距離感を測りつつ新たな星系で生き抜くための仕事が始まった
内容説明
人類が星々へと拡散した遠未来。故郷の巨大ガス惑星を飛び出して女ふたり、銀河の文明圏を目指すテラとダイオード。愛する人との念願の船出はしかし、さまざまな生活の課題や、予想外のトラブルの連続だった。宇宙漁師の技術を活かして、一つ一つを乗り越えていくダイオードたち。そして旅の果てに明らかになる、銀河全体とふたりの全人生を揺るがす衝撃の事実とは?変わる世界と強まる想い、大好評の宇宙SF第3巻!
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている。2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得。2009年からおよそ10年にわたり展開された壮大なSF大河シリーズ『天冥の標』(全10巻)で2020年、第40回日本SF大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
49
2023年6月ハヤカワJA文庫刊。書き下ろし。シリーズ3作目。なんとまあ、予想もつかない展開で、逃避行なんかじゃなくて新しい世界に飛び込んで行く新しい命の話じゃないですか。どこまで行くんだろう。ということで次巻が楽しみです。2023/07/26
えも
28
百合漁師宇宙活劇が、どうやら幕を下ろしたようですが、しかし最後にとんでもない衝撃を残していきました。なんと、デコンプに用いている粘土は〇〇で、超光速の航法の原理は△△で、そして彼女たち自身は実は✕✕だったという…▼こいつは厨二病の百合小説に見せかけた、バキバキな超正統派ハードSFだったのです!2023/09/24
信兵衛
27
驚かされたのは終盤、ダイオードとテラに衝撃の事実が明かされる場面。 えーっ、そんなことがあるのかッ!という具合です。 本シリーズの世界観にも驚かされますが、主人公におけるこの設定自体、驚き以外の何ものでもありません。2023/07/26
なみ
22
女性2人組が宇宙を旅をするSFシリーズ3作目。 テラとダイオードの関係性が相変わらず好きです。 色々な文化や人に触れながら、トラブルを乗り越えていく2人を思わず応援したくなります。 彗彗がかわいい! ラストのとんでもない展開がすごすぎました。 SFだとこういうこともできるのか……!という、ジャンルとしての強さを見せつけられました。2023/08/18
活字スキー
22
【同志は気持ちをひとつにするという意味だ。異志は別々のものを守り、極力敵を作らず、気持ちのつながりを強いない】故郷のクソドブ暗黒廃棄物槽ことFBBを脱した淫乱百合ップルに自由と安息がもたらされるのはいつの日か。今回もSFらしいワンダーと二人のイチャイチャたっぷり。場面場面でのアクションで引っ張るというか物語をかき回すのはダイさんなんだけど、粘土とデコンプ絡みで物語の核心を突くのはテラさんなんだなぁ。てかダイさん、めんどくせえ女!2023/07/13