出版社内容情報
乙野 四方字[オトノ ヨモジ]
著・文・その他
内容説明
人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された時代―虚質科学を研究する母と専業主夫の父とともに暮らす今留栞は、中学2年の夏休みに訪れた元病院の敷地内で、内海進矢という青年と出会う。彼は鬼隠しに遭って姿を消した少年について調べているというのだが…別の並行世界を生きた、もう一人の栞の物語。『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』に続く待望のスピンオフ長篇。
著者等紹介
乙野四方字[オトノヨモジ]
1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ~一分間の絶対時間~』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
78
幸せな物語をキレイに綴じる「僕が、君の名前を呼ぶから」が素敵だ。スピンオフな一冊はなるほど栞の物語。そして、これが〈俺〉暦が望んだ世界であることが何ともせつない...それ故に今作で描かれるのは一つのピュアな恋物語。特に並行世界の設定はなくても楽しめる(笑)どちらからでも本編2作を読んでいればレオタード女な交差点エピソードにほっこり出来る終わりも心地よい。そして最後に幸せを噛みしめる。あの時...その時...決していい事ばかりではなくても、やり直しが効かない現実を受け止めながら当たり前に生きるのも悪くない。2024/10/28
hiroshi507
37
栞が暦と出会わなかった世界で栞が幸せになる話。「君愛」で暦の目指した形は実現できたからハッピーエンドと言えるだろうけど、これが本当に栞の救済になっているのか自分の中では消化できず正直なところモヤモヤ感の方が大きいかな2023/12/09
オセロ
36
『君を愛したひとりの僕へ・僕が愛したすべての君へ』のスピンオフ。 暦が願った栞が交通事故に合うことのない世界はを舞台にした物語で、栞が平行世界の影響を受けながらも登場人物全員が幸せになり、栞の願いが果たされるラストにはグッとくるものがありました。2022/09/05
よっち
36
人々が並行世界間で日常的に揺れ動くことが実証された時代。虚質科学を研究する母と専業主夫の父とともに暮らす今留栞が運命の出会いを果たす、別の並行世界を生きたもう一人の栞の物語。中学2年の夏休みに訪れた元病院の敷地内で栞が出会った、鬼隠しに遭って姿を消した少年について調べている青年・内海進矢との出会い。両親が離婚しなかったら…ということで分岐してゆくもうひとつの物語で、積み重ねてゆく栞と進矢の思いやその幸せな日々がなかなか良かったですけど、あの二人にもしっかりと会えるあたりにその結びつきの強さを感じましたね。2022/08/10
SOHSA
32
《図書館本》「僕愛」「君愛」に続き読了。前2作に続くスピンオフ作品。それぞれの並行世界があの交差点のあの一時に重なり合う。すべての伏線が本作ですべて回収される。幼年期から老年期までを順に描いた本作を読み終えたとき、なぜか自分自身の来し方を思い出してしまい、胸にこみ上げるものがあった。切なさと懐かしさと。主人公栞にとって、どの世界が幸せなのかはわからない。しかし人生の分かれ道でのどの選択にも、結局のところ、正しいも間違いもないのだろう。ただ、どの世界の栞も、すべて幸せであっただろうと思いたい。2026/05/09
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