出版社内容情報
月探査船内で宇宙飛行士が謎の致死性ウイルスに感染する。制御を失った探査船は千葉県船橋市に墜落、恐るべきパンデミックがーー
内容説明
それは人類の進歩を証明する、栄光に満ちたミッションのはずだった。新時代の有人月探査「オリオン計画」で、月面のシャクルトン・クレーターに降り立った宇宙飛行士が吐血して急死する。生き残ったクルーは地球への帰還を懸命に試みるが、残酷な運命に翻弄されて日本列島へと墜落する―致死性のウイルスと共に。空前絶後の墜落事故、そして未曾有のバイオハザード。極限状況の中で、人類は希望を見出せるのだろうか。
著者等紹介
穂波了[ホナミリョウ]
1980年生まれ。千葉県出身。別名義で、2006年に第1回ポプラ社小説大賞を受賞。2019年、『月の落とし子』で第9回アガサ・クリスティー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
28
第9回アガサ・クリスティ賞受賞作を2019年11月早川書房刊。2021年10月ハヤカワJA文庫化。月面で始まった致死性ウィルス災害。千葉県船橋市のタワーマンションに墜落する月からの宇宙機。という息もつけない展開で、あっという間に読みきってしまいました。ウィルスがミステリーなの?。とすると月面での仕掛けはいいとして、地球にやってきてからは、そんなにミステリーしてなかったような。災害パニックものとしては、面白かったです。2022/01/21
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23
月探査船内で宇宙飛行士が謎の致死性ウイルスに感染する。全てはそこから始まり、舞台は日本へ、船橋へ。好きな設定に、慣れ親しんだ舞台。なのに、なんだこれは?楽しみにしていただけに自分が求めていた物語は、残念ながらここには無いみたいだ。2023/02/27
みやしん
9
作者は予言者なのか?本書の元単行本はコロナ直前だが、当文庫はコロナ真っ最中での発行。故に前知識無しに本書を読むと、政府の裁定以外「コロナ禍丸写し」ってぐらい勘違いしてしまえるダイジェスト。感情面はわからんでもないけど、主人公兄妹の行動が素人目に見ても迂闊。ラブストーリーっぽい要素に賛否はあろうが、おかげで小説として読みやすくはなっている。もっともラストで濃くなったヒューマニズム的運動はイマイチ。2022/04/04
ist
7
月面シャクルトンクレーターへの緊迫した着陸ミッション中の宇宙飛行士の場面から始まり、日本国内にシャトルが墜落した後の殺人ウイルスが蔓延する船橋とそれへの対応をめぐる人々の闘いぶりが描かれていく。 この作品世界で描かれる人々は現実世界と非常によく似ていて、一部はどうしようもなく無能だけど、またその他には、置かれた環境で自分の職責を果たそうと懸命に頑張る人、どちらも現れる。 この小説を純粋なフィクションとして楽しみたかったが、どうしてもコロナ禍にかかわる現実の対応との違いを想起してしまう。2022/10/17
keisuke
6
文庫化再読。面白い。でも宇宙船が2秒間オートパイロット切れてた理由って何やったんや。2021/11/13