出版社内容情報
人の死期がわかる少女・志緒と、人が死ぬミステリーが許せない少年・佐藤。死線が浮かんだ、今は歌えなくなった歌手・奏音を救う。
内容説明
死期の迫る人がわかる少女・志緒は、人が死ぬミステリーを許せない少年・佐藤に助けを求めた。志緒がファンであるミュージシャン志望の少女・奏音に、死の予兆が現れたのだ。彼女はあることで歌声を絶たれ、さらに親友が昏睡状態に陥る悲劇に見舞われていた。志緒と佐藤は奏音の死に関与するのが、奏音のたいせつな幼馴染たちである疑いを知り…決して誰も死なせない―不可能を可能にする、佐藤と志緒の推理の闘い。
著者等紹介
井上悠宇[イノウエユウ]
2011年に第16回スニーカー大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うまる
40
シリーズ3冊目は、死の運命を変える為のコンビを組むまでのエピソード0的な話。死を認識していながら誰も救えない絶望が、事件が発生する前に解決する真の名探偵になれるという希望に変わる所を読む事ができてとても嬉しいです。ミステリ部分も死線レベルの増加で深まる謎が面白いし、真相に幼馴染6人の関係性が絡み合っている所も良くできています。犯人を暴く事がゴールじゃない推理パートはも読み応えがありました。佐藤君の名前や、他作品にもある紅娘商会が出てくるのも嬉しい所。ハナゴリラの隠れファンなので、今回も出てくれて良かった♪2021/09/18
ネムコ
36
久しぶりに「良い本を読んだ」と思いました。色々ツッコミ所はありますが、主人公二人の気持ちにシンクロしてると、しみじみと良いなぁ…と。人の顔を見ただけで死の運命がわかってしまう少女・志緒と、本当の名探偵とは事件それ自体を未然に防ぐ者だとの信念を持つ少年・佐藤クン。二人が出会って、少女の視る死の運命に抗う物語。今回は志緒が聞き込みをして、佐藤クンが推理と解決方法を担当。第三弾ですが、ゆるりと続いてほしいシリーズです。2021/10/28
よっち
35
死の予兆が現れたミュージシャン志望の少女・奏音と出会った志緒。人の死期がわかる少女・志緒と人が死ぬミステリを許せない少年・佐藤が出会い、最初に遭遇した物語。彼女の死に深く関与している疑いが浮上する人工島で共に育ち固い絆で結ばれた五人の幼馴染。彼らの関係性を変えてしまった半年前に高校で起きた暴行事件の真相に迫る志緒。これまで何度も変えられない死を目の当たりにした彼女の絶望、そして佐藤と出会ったことで変えられる可能性を信じられる未来。二人の物語がここから始まったのかと思うと、なかなか感慨深いものがありますね。2021/10/27
みなみ
28
人が死ぬ予兆が見える志緖と一緒に、主人公が死人が出ないよう奔走するシリーズ三作目。本作では時系列が遡って、初めて主人公と志緖が協力したときのお話。僕の名前もようやく分かってすっきりした。今回のテーマは違法ドラッグで意識不明の人がいるということで重めだけれど、それでも読後感は爽やか。次作はあるんだろうか。2025/02/20
ツバサ
26
1巻の前日譚。死線が見える志緒と推理が好きの佐藤が誰も死なないミステリーを目指すきっかけとなる、始まりの物語。仲が良いグループで起きた悲劇の裏側を暴いていくということで、絡み合った謎を解いていく佐藤の手口が光りました。志緒が佐藤を信じきってないのも、新鮮で良かった。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/09/16/2100002021/09/16