出版社内容情報
首都圏ビッグデータ保安システムが導入された近未来。AI技術者の三ノ瀬と映画マニアの五嶋が、自動運転現金輸送車の誘拐に挑む。
内容説明
首都圏ビッグデータ保安システム特別法が施行され、凶悪犯罪は激減―にもかかわらず、親の借金で臓器を売られる瀬戸際だった人工知能技術者の三ノ瀬。彼は人工知能の心を読み、認識を欺く技術―Adversarial Example―をフリーランス犯罪者の五嶋に見込まれ、自動運転現金輸送車の強奪に乗り出すが…。第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。人生逆転&一攫千金!ギークなふたりのサイバー・ギャングSF。
著者等紹介
竹田人造[タケダジンゾウ]
1990年、東京都生まれ。2018年に「アドバーサリアル・パイパーズ、あるいは最後の現金強盗」で第9回創元SF短編賞新井素子賞を受賞。2020年、同作を抜本的に改稿して長篇化した『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』(応募時タイトルは『電子の泥舟に金貨を積んで』)で、第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
58
派手なタイトルで、作品の質を下げてしまってるのではないか、と書こうとしてふっ、と手を止めました。たぶんこのタイトルでなければ手に取ってない。そういう意味でマーケティング的に大正解なんですけど、読み終わった結果、「やっぱり違うくね?」というのはマジの感想なので、本当に正解だったか悩むなあ、と。それはさておき、第一章が面白すぎるので、後半の落ち込みがつらいです。2023/04/09
なっぱaaua
53
とにかく楽しい。極上のエンターテインメントだ。ハヤカワ SF コンテスト選評を読んで大賞取れなかったのは仕方ないかなという感じもしたが、面白さという点では秀逸。SFと言われなくても読者を楽しませてくれるならそれで良し。最初から最後まで疾走感があって、読み飽きさせることもない。IT用語は難しかったけれども、そんなことはどうでもいいように感じる位グイグイ読める楽しい物語だった。二人の悪だくみをもっと読んでみたい。この話はとにかく読んでてスカッとするのだ。映像化も向きそうだね。2020/12/15
うまる
32
人工知能論満載のサイバー・ギャングSF。専門用語や技術の理論に詳しい人にはリアリティがあって面白いのだと思う。詳しくないので、ここに盲点が!こういう方法があったのか!と主人公が驚く所に共感できず面白味がない。ルールのわからないゲームを見て楽しめる人には良いのだと思うけど。良く言えば現実的、悪く言えばSF的な夢がない話で、そこに技術者の信念や矜持が加わるので、SFというよりお仕事物っぽい。専門的な部分を除くと、コンゲームでもありがちなキャラと展開で大した話ではないので、続きが気にならず読み進まなかったです。2021/04/01
rosetta
29
以前この人の2作目「AI法廷のハッカー弁護士」を読んで面白かったのでデビュー作を読んでみたいと思っていた。第8回ハヤカワSFコンテスト優秀作。落ちぶれたAI技術者三ノ瀬が命を救われた電子系に強い独立系犯罪コンサルの五嶋とバディを組まされ、現金輸送車、そしてカジノの金庫を狙う。アクションありコンゲーム要素あり、五嶋の夢のようにまさにいつかハリウッドで映画化を!っ感じ。技術的な説明にはまるで着いていけないが、主人公の二人の会話が楽しく、敵キャラも皆魅力的。残念ながら3作目はまだ書かれていないけれど強く希望する2024/11/08
ヨムヒト
19
敵対的サンプルを題材にした小説。作者はAI技術者か?情報エンジニアの仕事の実態を極めて現実的に表現している。物語も軽快で面白い。あらすじは軽快、技術が重厚なので、油物だけども、胃もたれすることなく、丁度良かった。 この本を読めば、そこら辺の顔認証を突破できそう。 2022/12/25
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