出版社内容情報
大学図書館に"降る"本は天才詩人の呪いか
――現実と現代芸術が交差する五つの謎に、
新たな日々を歩み始めた黒猫と付き人が迫る
内容説明
若き大学教授とその付き人という関係から一歩踏み出し、新たな生活を送り始めた黒猫と私。ある日「本が降ってくる奇妙な夢を繰り返し見る」という女子学生の相談を受けた私は、黒猫と共にその言葉の真意を探り始める。だが、まもなく当の女子学生が詩集に“降られ”昏倒する事件が…巻頭作ほか芸術展への脅迫事件、覆面画家が残した風刺画の真実など、現代アートをめぐる5つの謎に黒猫と付き人が迫る書き下ろし短篇集。
著者等紹介
森晶麿[モリアキマロ]
1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。2011年、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
106
シリーズ8作目。アートミステリ短篇集。小難しいロジックや芸術の専門的なことはよくわからないけど、それなり博識になった気分で楽しめる。「鋏と皮膚」と「贋と偽」が印象深かった。一歩踏み出した関係の黒猫と私。クールな黒猫のロマンチックな言動に胸キュン。「黒猫と付き人による〈ラビリンス〉補講」も良かった。2020/11/22
寂しがり屋の狼さん
58
現代アートをめぐる5つの謎に黒猫と付き人が迫る書き下ろし短編集(◕ᴗ◕✿)2024/12/19
けろり
38
黒猫と付き人の関係が進んでいるのに、モヤモヤもする。でも、そのもどかしさが愛おしかったです。 付き人が黒猫以外の人と謎解きを進めて行く中で、彼女の思考が深化していくのが、新鮮であり、喜びでした。多分、黒猫は色々と彼女の成長のために気を回しているんだろうなとも。彼が彼女を支えているだけではなく、おそらく彼女の成長も黒猫の大きな支えで彼自身の喜びなんどろうと感じました。続きが楽しみです。2020/09/25
らび
29
大分前に1作を読んで続編が手に入らなく忘れ去っていた。「おお!黒猫だ」と懐かしいな・・8作目まで進んでいたのか~すっかり忘れていたので初心に帰っていろいろな「美学」に触れる。感じ方捉え方様々ですが、ちょっと難解ででも黒猫の話でかみ砕かれた感じがこんな感じだったか?「鋏と皮膚」勝手に思い込んでしまいましたが一番良かったです。2020/11/18
まー
22
黒猫と付き人の関係が安定して、ほのぼの読めました。短編なのも読みやすかった!現代アートがモチーフでしたが、現実に通じる内容でイメージしながら読了。2020/11/01