出版社内容情報
星系壱岐では、烏丸司令官がガイナスの驚く
べき行動に震撼する。敷島星系では、ゴート
文明と人類文明との秘められた関係が……。
内容説明
出雲星系で発見された播種船の滅速装置と思われる遺物。その分析から、太古の人類は敷島星系を通過していたことが明らかになる。ジャック真田らはゴート文明の真実を明らかにすべく、敷島星系の衛星美和に存続しているらしい海中都市、および謎に包まれた惑星敷島の調査を急ぐ。いっぽう烏丸司令官は、ガイナスの集合知性の基盤に獣知性なる存在があることを喝破するが、その矢先、五賢帝が不穏な反応を示し始める…。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた架空戦記小説で人気を集める。2000年以降は、科学的アイデアと社会学的文明シミュレーションが融合した作品を次々に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
50
全9巻の8巻まで来て敵の正体を明かさぬとは、これほど引っ張る小説も珍しい。しかも烏丸中将以下の非英雄な面々が着々とガイナス包囲網を完成させつつあると思っていたら、最終ページでとんでもない事態をサラッと描くのだから。本作はスペオペや侵略テーマなど、従来型SFのパターンを描くと見せかけて引っくり返すのが主目的のようだ。そこへ至るまでの軍人・政治家・科学者たちの行動はまともすぎて、ひとりの悪人や卑怯者、欲まみれや愚か者も登場しないのはやはりどうか。あまりに非人間的な正義漢ばかりで却ってうさんくさく感じてしまう。2020/11/05
Tadashi_N
23
新しい生態系、五賢人の立場、謎は次回まで持ち越し。2021/03/31
宇宙猫
22
★★★ 広げた風呂敷を畳むためか、いろんな事を進展させたため説明ばかりという感じ。謎が解き明かされていく面白さはあるが、登場人物が固定され駆け引きや対立による面白さが少なくなったのが残念。D2021/02/23
わたなべよしお
21
終盤に差しかかってきました。まだ読者の興味は繋ぎ止めていますが、ガイナス、ゴート、スキタイ、そして地球人類、その関係は全く分かりません。しかし、残りは一冊です。終わりに、どんな世界を見せてくれるのでしょうか?とにかく進むしかないよね。2022/03/13
鐵太郎
21
-遠征-2と3と筆致は同じようなのに、ネタ的にどんどん深くなってますな。人類側の根源である、播種船によって出雲を始めとする星系に文明を再構築した歴史が語られると共に、このまま行けばガイナスに負けない確信が確立した人々。では、と当面の戦い方の検討と共に、戦後処理をどうするのか。産業構造をどう平和に軟着陸させるのかが論じられ始まります。ガイナスのスポークスマンとして現れたはずの五賢帝の最後が哀れ。 ──さて、あと一巻でどうまとめるのか。2021/08/16