出版社内容情報
図書新聞再刊を任された浩二と蛍は、本を通じ、生徒や教師が抱える秘密、そして過去に高校で起きた自殺事件の謎に迫ることになる
内容説明
本を読むことは現実に立ち向かう術のひとつだよ。読書が嫌いな高校生の浩二は、ひょんなことから本好き女子の蛍と一緒に、廃刊久しい図書新聞の再刊を任されて…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
275
楽そうだからと入った図書委員で、読書に興味ない層に訴える図書新聞の編集長に任命されるのです。本の虫を相方に。それで、3人に声を掛けて読書感想文を寄稿して貰える様に取り計らうの。はじめは読書感想文を通じて、物語の解釈や読書体験を生活や人生にどう結びつけるか、からの読書の深みを愉しむ流れの様な気がしたの。でも気付いたらなんだかミステリーになってて。何よその展開。小賢しい事してくれる(誉めの意)。森鴎外『舞姫』、ヘルマン・ヘッセ『少年の日の思い出』、安倍公房『赤い繭』は課題図書となります。2023/01/17
寂しがり屋の狼さん
185
表紙と【図書室】のキーワードで手に取りました(*^^*)物語ではなく【感想文】に注目した点も面白いです📚️「本を読むことは現実逃避なんかじゃなく、現実に立ち向かう術のひとつだよ」「小説を読んで初めて、自分以外の人間にも感情があることを知ったんだよ」は印象に残った言葉🍀最後に背中を押した浩二を信じて、自分の気持ちを伝えた蛍ちゃん…頑張ったね(*^.^*)2020/09/09
ひさか
158
2020年4月ハヤカワJA文庫刊。書き下ろし。楽しようと高校の図書委員になった2年生の浩二は図書新聞の再刊を命じられて…という出だしで始まる学園日常ミステリー。生徒、教師たちの世界が興味深く語られる。本好きコミュ症気味のヒロイン蛍もステレオタイプながら素敵に無理なく描かれるのが良い。ラストで明らかになる謎解きよりも、浩二の異能力に驚きました。よくできた設定と楽しい展開で面白かったです。2021/09/26
seacalf
156
よく出来ていること。色々盛り込んでいるが構成が見事なのでするすると読める。とある理由もあって読書嫌いの高校生荒坂くんが、本の虫の藤生さんと図書新聞を作る事になり、『うっかり見落としてしまう物語の欠片を掬い取り、かざして見せてくれる』彼女の本の解釈に惹かれ少しずつ興味を持ち始めていく。先輩や友人、先生にまでも読書感想文を依頼するのだが、これらすべてが謎解きやお悩み相談に絡んでいく。『この世にある物語は、すべて予言の書になり得る』など独特の解釈もなかなか面白い。安部公房はまだ未読。これを機会に読みたくなった。2022/02/05
昼寝ねこ
128
前に読んだ放送部の話がなかなか良かったので同じ作者の本を探した。今度は図書委員の話。読書嫌いの浩二は図書委員会で図書新聞の編集長に任命されてしまう。パートナーは読書大好きの藤生さん。2人のミッションは図書新聞を再開すること。記事集めに奮闘する2人に謎解きまで絡んできて‥‥という読書系学園青春物語だ。高校生のリアルな感じが良くでている。課題図書の「舞姫」「少年の日の思い出」はまだしも「箱男」「赤い繭」はちょっとマニアックじゃないかなあ😅別作者の作品だが古典部シリーズやビブリア古書堂にも通じる感じがした。2024/03/25