出版社内容情報
小学六年生の天羽駆は一年間親元を離れ、豊かな自然とロケトの射場がある島で過ごすことに。足元から宇宙を目指す宇宙開発小説
内容説明
島原産の黒糖を燃料にしたキャンディロケットの打ち上げに成功した駆たちは、もっと遠く、宇宙のかなたまで届くロケットを打ち上げたいと思うようになる。そんな駆たちの思惑は島に波乱を呼びながらも、里親や日本宇宙機関職員など、頑なだった周りの大人たちの心を動かしていき…。はたして、島のみんなの想いを乗せたロケットは飛び立つのか?絆と情熱に満ちた青春宇宙小説、いよいよリフトオフ!
著者等紹介
川端裕人[カワバタヒロト]
1964年兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。東京大学教養学部卒。日本テレビ入社後、科学技術庁、気象庁などの担当記者を経て、1997年退社。1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。2000年『動物園にできること』で第31回大宅壮一ノンフイクション賞候補。2004年『せちやん 星を聴く人』で第25回吉川英治文学新人賞候補。2018年『我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち』で第34回講談社科学出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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RIN
22
何とも清々しい読後感。「春夏編」が割と地に足のついた物語だったのに対し、本「秋冬編」はぱぁ~っと世界が宇宙まで広がった感じ。賢い子どもの話は気持ちがいい。自分の興味に応えてくれるオトナを自ら探して好奇心を満たして夢の実現へ足を踏み出す。これはたぶん、環境とか幸運とかではなく、そういうことができること自体が「賢い子ども」ということなんだろう。ワクワクして熱中できる「好き」と自分が一番落ち着ける居場所と思える「好き」のどちらを選ぶかが運命の分かれ目?おススメです。2021/03/30
@nk
19
何とか種子島へ行く前日に読了できました。宇宙探検隊の力強い成長とともに、中学生以降の「その後」も描かれていて、とてもゴージャスなお話だったという印象。なにせロケットに関する描写が(たぶん)精緻すぎて、もはや前篇から既に付いて行けておりませぬ状態でした。さて、島の神事やら伝統行事やら、どこまで種子島なのか、明日からの訪問で幾つかは判明するのかな。2019/08/15
ひさか
16
2016年8月早川書房刊。シリーズ2作目。2019年7月ハヤカワJA文庫化。打ち上げ、太陽系脱出と話は続き、この巻で一気につじつまが合う思いに到達できました。ちょっとしんどかったです。2021/03/29
ヤギ郎
16
物語下巻。小学生が種子島(のような場所)で大人たちと共にロケットを飛ばす物語。もっぱら宇宙についての物語と思いきや、森や植物についても多く語られている。空(宇宙)と地(地球)が繋がっていると思わせる。JAXAの実証機IKAROSを題材にしたのだろうか。2019/07/29
ホシナーたかはし
15
宇宙遊学生サイドに目を向けて話が進んで行くのは良いのですが、相変わらず素人完全無視なロケット講釈は勘弁。日曜夜八時台かNHKドラマ、アニメで放送した方が解りやすい内容でした。ロケットの打ち上げシーンは、ネットに転がっているので、観ていれば結構想像しやすいかと。アニメ化するならRobotics;Notesスタッフを熱望!2019/07/31