出版社内容情報
セレスの向かう状況が風雲急を告げるなか、MMS、《救世群》、2PAの連合軍は、ミヒル討伐のためドロテアへと進攻するが――。
小川 一水[オガワ イッスイ]
著・文・その他
内容説明
全宇宙を覆いつつあるオムニフロラを食い止めるべく、カルミアンの総女王オンネキッツは、人工的な超新星爆発を起こそうとしていた。それに対抗する超銀河団諸族の巨大艦隊の真っ只中へと到達したセレスだったが、その内部ではMMS、“救世群”、2PAの連合軍が、状況を打開する鍵となるドロテアへの進攻を開始していた。それは、姉であるイサリの指揮の下、太陽系を滅ぼした仇敵ミヒルを討ち取ることを意味していた。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞。また、2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひさか
62
2019年1月ハヤカワJA文庫刊。書下ろし。シリーズ16冊目。前巻に続き、ポテンシャルは高い。戦いの様相、様子に圧倒される。2020/05/11
chiseiok
43
終始ぞわぞわうるうるしながら読了。凄いぞ小川一水。長ーい作品の畳み方、なかんづく死なせ方滅し方って、その作者のその時点で持っている地力がハッキリ出ると思います。きっちりタップリがっつり思い入れさせておいてざっくりバッサリさっぱりと殺す滅ぼす下がらせる。名前出して比べるのもなんですが、某田中芳樹作品とは雲泥の差ですなぁ。田中先生もエネルギーあるうちに畳めば良かったのにね。北方謙三大水滸伝サーガに比肩される畳みっぷりですが、そう考えると北方御大年の割に怪物だなぁ。あ、話が逸れた。あと一冊読むの勿体無いよーっ。2019/05/26
ゆう
42
スケールの大きな物語も残りあと1冊。充分にSF小説の醍醐味を味あわせてもらいました。最後のkeyになるのはラバーズのあれ、なんでしょうか(笑) ノルルスカインも含めて異星人たちの思考が人間的な気がするのはご愛嬌ですね。あまりにかけ離れてると分かり合えることもないだろうから。2020/03/03
ポルコ
39
いよいよドロテアへの侵攻が始まった。あんなにも憎み合っていたジャームレスとプラクティスが手を組み、カンミアの道案内の元、ミスチフとミヒルがいるであろう中枢へ。初期から考えると本当に感慨深い。カドムとイサリの努力の結晶が今まさにここに!危機ばかりが襲い来る展開にハラハラが止まらない。そして……。興奮冷めやらぬまま最終巻へ!2025/05/10
ぐうぐう
34
「あなたたちは何を素晴らしいと思うのですか?」「わたしたちが、いつだって失敗し続けること……それなのに、今こうして、形を持って話していること?」冥王斑の本質、真の理由が暴かれ、イサリはついにミヒルと対峙する。このクライマックス真っ只中にあってなお、小川一水は登場人物達にどこかユーモラスなムードを漂わせたセックスを行わせる。律儀とも言えるセックス描写の挿入は、しかしこの壮大な物語が、とどのつまりはやっぱり性愛をもっとも大きな主題にしていることの証しでもあるのだ。(つづく)2019/03/12