出版社内容情報
地球征服を企むヴェンダリスタ星人。地球を救おうとする光の国のウルトラ戦士たち。その狭間で葛藤する、地球人類が出す答えは?
三島 浩司[ミシマ コウジ]
著・文・その他
内容説明
地球征服を目論みながら、死闘の末に光の国のウルトラ戦士たちの手で野望を打ち砕かれたヴェンダリスタ星人。しかし、辛うじて生き残ったキップ・ラト・メイスは、超常の力で全人類に屈服を強いていた―。一方で、彼ら同様に唯一生き残ったウルトラの聖女ティアは、なおも抗戦を続けるために、心ある人間たちを光の国の“飛び地”でウルトラ化する。二柳日々輝は、ウルトラマンデュアルとして地球を救う戦いに身を投じる!
著者等紹介
三島浩司[ミシマコウジ]
1969年生まれ。関西大学工学部電子工学科卒。電気関係会社退社後、小説執筆を続ける。『ルナ Orphan’s Trouble』で第4回日本SF新人賞を受賞し、同作で2003年にデビュー。2011年、ハヤカワSFシリーズJコレクションより『ダイナミックフィギュア』を刊行。従来の二足歩行兵器のコンセプトを更新する、最先端のリアルロボットSFとして広く話題を呼び、ベストSF2011「国内篇」第3位にランクインした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
69
出版時の2016年に読んでいたならば、タイトルのウルトラマンという名に対して違和感を覚えていたかもしれない。しかしその後のTVシリーズのウルトラマンや漫画のULTRAMANの流れによってその違和感は薄れ、ウルトラマンの永遠のテーマでもある地球を自らの手で守る事、その為にはそれぞれが信頼を寄せ合う事の大切さを新たな世界観で描いた本作が、現在のコロナの危機的な状況の中で読んだ事で、スッと心に入り、またとても良く出来ている様に感じた。続けてデュアル2へ。2020/11/18
Urmnaf
10
ヴェンダリスタ星人の侵略から地球を守るため、光の国の増援までの間、光の国の聖女ティアに練馬を支配してもらい、双方に中立の立場で時間を稼ぐことにした地球。その光の国の飛び地内で怪獣と戦うウルトラマンデュアルは、ウルトラ・オペレーションを受けた元地球人。飛び地の外では、巧妙に侵略を進めるヴェンダリスタ星人の眼をくぐり、飛び地の支援をするレジスタンスがいた。緻密にリアルに作り込まれた「ウルトラマンのいる」世界。テレビシリーズとは全く違う世界観の中で、人の希望がエネルギーとなるところは共通。2020/04/24
ひびキング
9
ウルトラマンは姿形は知っているけど、実は詳しいことは知らないし最近の作品も観ていないのです。この作品はダイナミックフィギュアでは分かりにくかった侵略とコンタクトがウルトラマンを使うことでより分かりやすくなっている印象。そういったことで、侵略・コンタクトテーマの傑作SFに化けちゃった。続編も読みたい。2018/12/16
む~とん♪
7
円谷のサイトで紹介されていたので思わず購入。買ってからあらすじを見てアナザーストーリーと知りちょっとがっかり。しかも設定が判りづらく読み始めはなかなか理解できず、ちょっと大変でした。一番謎で謎のまま終わった(はず)なのはヴェンダリスタ星人。何故子供にしかとりつかないのでしょうか??しかもやってることも超子供っぽい。こんな連中に地球が支配されかかったのか???と思うと不思議でなりません。この辺はテレビ化?されたときの年齢層を考えてなのか??ウルトラマン好きなら一度読むべき作品かとおもいます。2018/09/27
あかつや
6
これはいい。正真正銘ウルトラマン。といっても大元の設定に頼り切るでなく、SF小説として新しい世界観を組み上げようという姿勢が見られる。この手の試みによく見られるような、大人向けと称してシリアスに傾きすぎたり、過度にグロテスクな場面を強調するなんてこともなく(ウルトラ作品には子供向けのままそれをやったりするものもあるけれど)、このまま映像化して現代のちびっ子に見せても問題ないだろうと思われる正統派ヒーロー作品として仕上がっている。最後まで読み終わった時に、そうそうこういうのが読みたかったんだよと心底思った。2018/08/25