出版社内容情報
第三次世界大戦の反応兵器で壊滅した世界の中で、奇跡的に被害を受けずにすんだ、日本の希望の星とは……。超弩級の歴史改変SF。
佐藤 大輔[サトウ ダイスケ]
著・文・その他
内容説明
米ソ間での反応兵器の応酬が引き起こした第三次世界大戦は、合衆国を崩壊させた。奇跡的に戦火を免れた日本は、大戦後の国際社会で指導的立場を得る。しかし、次なる大戦を逃れて人類が生存繁栄する道は、地球の外だと結論づけていた。宇宙開発事業団と北崎重工が進めるヘヴィ・リフターを用いた軌道開発は、高度四〇〇キロ、天空の彼方を目指す―。架空戦史の雄・佐藤大輔が、未来史を宇宙に見た伝説のシリーズ第2巻。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年、石川県生まれ。“征途”“レッドサンブラッククロス”などのシリーズで、戦略シミュレーション小説に独自の世界を切り開く。2017年に『帝国宇宙軍1―領宙侵犯』(ハヤカワ文庫JA)を刊行するが、絶筆となる。2017年3月逝去。享年52(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
18
1962年に発生した第3次世界大戦の結果、(佐藤大輔の夢を実現して)アメリカ合衆国はヨーロッパ大陸の諸国家と共に壊滅し、ソヴィエト連邦は半壊状態のまま世界大国の地位を維持しています。そのパワーバランスの崩れた世界の中でさまざまな幸運によって世界大国の一つとなった日本は、その生活圏を宇宙に求めます。この骨太の枠組みの中で繰り広げられる大輔節、いいねぇ。 ──ところであの榊原さんって、一度も下の名前を呼ばれなかったけど、もしかして良子さん?(笑)2018/05/25
アトリアーナ
5
あぁおもしろい.これ,仮想歴史モノなのかね.なんだろうね.私的には,プロパーSFに分類していいと想うなぁ.ま,分類そのものがどーでもいいという意見もあるだろうし,それもそうなんだけどさ. しかしあいかわらず,しちめんどくさい文体だこと.まぁ,それが味なんだが.一般的に用いられてる用語をわざと使わず,しかもそれに関する説明ないし...とか? あと,なにもそんなに持って回った言い方しなくても...とか? うふふ,楽しい? あと1巻で途絶は惜しいけど,この文体じゃ,別人が書き継ぐわけにもいかないからなぁ.2018/06/29
ぷるっちょ
5
他の方もコメントで述べられている通り、自分も榊原主任飛行管制官の名前は良子だと思う(笑)。2018/06/09
こぼこぼ
5
佐藤大輔スターシステムの中でも北崎望について詳細に描写されてるのは本作が唯一ではなかろうか。彼の妻との約束と黒木の願望が出逢い,昇華した事により「あたらしい世界」(ジオセントリック教育科学協会)がもたらされたのだ。つくづく3巻で終わってしまった事が残念だ。2巻は本文のみだったが,3巻には巻末解説等のおまけが欲しいなぁ(「SFオンライン」で語られた4巻構想とか)。2018/04/21
かやは
4
うまく言えないんだけど、日本人という群体生物の観察記録な印象。もちろん歴史や宇宙開発のIFがメインテーマなんだろうけど。2019/02/21