出版社内容情報
大手レコード会社に勤める元ミュージシャン大路樹は、身元不明のデモ音源に魅せられ、デビューを狙うがーー出色の音楽業界ミステリ
松浦 千恵美[マツウラ チエミ]
内容説明
大手レコード会社に勤める元ミリオンセラー・アーティストの大路樹は、「ひとごろしのうた」と題されたデモ音源の歌声と、69年型レスポール・カスタムのギター演奏に魅せられる。「瑠々」というアーティスト名以外、詳細が一切不明のままCDリリースに踏み切った大路だったが、ある日、同曲に影響されたという殺人事件の記事が週刊誌に掲載されて―アガサ・クリスティー賞受賞後第1作となる、出色の音楽業界ミステリ。
著者等紹介
松浦千恵美[マツウラチエミ]
1965年東京都生まれ。音楽業界を経て、現在、大学職員。2014年、『しだれ桜恋心中』で第4回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
38
初読みの作家、大分時間が掛かってしまった前半に手こずったしだいだ、題名が【ひとごろしのうた】酷い題名を付けたものだ、メインは音楽だ主人公の樹、元ミュージシャンで音楽ディレクターである、アイドルやミュージシャンの裏事情などは面白かったが警察関係はもう少し調べたらと云いたい、そりゃありえないでしょうが幾つもあった、曲がりなりにもミステリーを書くのであれば、そこは頂けなった、それとエピローグは要らんそこは読者に想像させた方がいい、取ってつけたようなホラーはやめて欲しい何か良いところない小説だと思いの方丸っきり→2020/12/27
hope
33
★★ 松浦さん初読。書店でジャケ買い。元ロックギタリストの新米ディレクターに差出人不明のデモCDが届く。曲名は『ひとごろしのうた』。曲に惚れ込み、作者を探し出す中、曲が引き金で殺人事件が起きる。一体誰が作り、歌っているのか─。舞台や粗筋は面白いのに、文章も構成もキャラ作りも稚拙というか雑で、素材の良さを殺した。なんて生意気言ってごめんなさい!でも本当に残念。例えば中山七里さんがこれを料理したら傑作にできたと思う。I Can't Get No Satisfaction!2017/02/17
竹園和明
30
元ミュージシャンで現在は裏方家業をやっている主人公が、送られてきた「ひとごろしのうた」なるタイトルのデモテープの歌声に魅せられ、そのシンガーである瑠々を探すため正体不明のままCDデビューさせる。一方、各地で不可解な死に方をした人々がその楽曲を携帯音楽プレイヤーにDLしていたという事がわかり、謎が謎を呼ぶ。…ミステリー作品なのか業界事情を描きたいのか、どちらにしても圧がなく中途半端。作中のバンドThe Red Rumのモチーフになっているのは山口富士夫の村八分かな。でもあのソリッドさは全く伝わっていないです2017/03/20
のぶのぶ
30
音楽好きな方にはたまらない1冊。ロックグループのギタリストだった大路樹が送られてきたCDの中から瑠々、名義の「ひとごろしのうた」を見つけ、この曲に惚れ込む。瑠々を探すことに。瑠々が不明にまま、CDを発売し、事件が起こる。この曲の背景が分かってくる。私も音楽を聴くが、アーティストの思いがこもった曲に触れると魂が揺さぶられる。「ひとごろしのうた」にも思いが詰まった曲、ある人が聴いたら一生涯つきまとう曲になったのだろう。ギター愛、音楽愛が詰まった1冊。洋楽35年ファンの私には、ぐっと心に残る小説、音楽LOVE2017/02/06
カラシニコフ
17
読み終えて、最後が賛否分かれるんだろうなぁ、と思ってたら分かれるどころかほとんど否だった。個人的には、なかなかに都合のよすぎる現代ファンタジィなんだから、ラストのアレもその延長と考えればありなんじゃないかと思ったり。あと、音楽業界の裏側が垣間見られたのが楽しかった。 ★★★☆☆2018/08/21