出版社内容情報
文明が崩壊し全人類が生体コンピュータ化し
た時代を描くポストサイバーパンク青春SF
黒石 迩守[クロイシ ニカミ]
内容説明
“混沌”が地表を覆って世界が崩壊し、地球が巨大な記録媒体“地球の記録”と化した未来。身体を生体コンピュータ化した人類は、地球の記憶から技術を発掘し文明を延明させていた。序列第三位国家イラの下層民が住む地下都市で育った天才発掘屋の少年ヴェイと少女フィは、偶然発見した昔の映像に惹かれ本物の海を探す約束をする。それは二人の幼年期の終りへの第一歩だった―第4回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。
著者等紹介
黒石迩守[クロイシニカミ]
1988年生まれ、千葉県市川市出身。東京情報大学情報システム学科卒。現在プログラマーとして勤務する会社員。2012年頃から小説投稿サイト『小説家になろう』で活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
48
オリジナル造語が雪崩のように押し寄せる。詳しく詳しく、その言葉の意味を掴みながら、読み進めていきたい人は、ちょい厳しい。雪崩を透過しながら、ややこしい語句群を音楽のように感じられれば、快感に変わる。表紙から硬派な印象を受けるが、そうでもない。アニメ化されそうな感じで、小難しいこと抜きで楽しめるSF!2019/01/06
ソラ
35
感想でよく見かける滑ってるとかそういうのはほとんど気にならなかった。作中に出てくる術語とかは途中から理解するのを諦めたらすいすい読めて一気に最後までいける感じ。アニメに合いそうな気がするなぁ。2017/02/18
miroku
20
結局ラノベ?! にしては説明部分がくどいのだよね。まあ、面白いは面白いけど。2018/08/12
sayan
20
“混沌”が地表を覆って世界が崩壊し、地球が巨大な記録媒体“地球の記録”という設定は読み手の好みがはっきりと分かれるか。ルート(根)・コンセプト(概念)・シンボル(象徴機体)という思わずトリニティ(三位一体)で成り立つ世界観は非常に刺激的だった。それらは圧倒的な造語で支えられる。造語の字面だけ見れば理解した気になるが、具体的に理解できない。が、その抽象度が高く、造語に乗せられてスピーディに展開するストーリーは個人的には面白く読み進めることができた。ある意味、明石散人の「鳥玄坊”ゼロから零へ”」を彷彿させた。2018/05/18
もち
19
「まず大前提としてお前らは勘違いをしている」◆全てを分解する「混沌」に呑み込まれた地球で、人類はそれでも生きていた。どの国にも属さず、情報の発掘屋として生きる少年と少女。海を目指した二人の画策が、途轍もない事態と存在を生みだしていく。■よくこれほど詰め込めたものだ。ライトなキャラ、ルビと造語の連打。半機械化、複数の現実。特殊能力、国家専用戦闘メカでの白兵戦、基幹レベルのどんでん返し。展開の振り幅に溺れそうになった。まさに海のよう。2017/08/18
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- 和書
- 孤剣の涯て 文春文庫