出版社内容情報
渡仏した黒猫と、日本に残った付き人。二人の旅路を交差させるのは“生きている塔”?
森 晶麿[モリ アキマロ]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けろり
34
〝塔〟というものに対する見方が少し変わりました。離れた事によって眠っていた付き人の魅力が増してきて、彼女の思考の変化がよりはっきりと見えてきた巻でした。他人からみた付き人というのは新鮮でした。付き人と黒猫、彼らには必要な離れ離れの時間。今はまだ一緒にいる時ではないけれど、その次の2人のために今がある。それを強く感じさせられました。2021/06/20
ぐっち
32
黒猫と付き人が別々に…という割には前半であっさり再会。やっぱ2人はそろっていたほうが良いですね。不可能建築というのが最初イメージしづらくて困りましたが、だんだん引き込まれました。おまけの短編が黒猫目線なのですが…いつもの付き人目線ではクールでミステリアスで薀蓄な黒猫も、本人視点だと予想を上回る甘々男子ですな。これからは甘猫と呼ばせていただきたい。続編も早く文庫化しますように。2017/03/11
ぽぽ♪
29
単行本で既読済みです。約束の朝も既読済みですが、又本編読み直した後に読むとゴロンゴロンですね!2017/04/24
fullhouse
20
読むまでにずいぶん時間がかかってしまったけれど、読みはじめると一気。イタリアの地で提示される謎と、出会うはずのないふたりの邂逅と、もどかしいほどの関係。なんともなく心地よさを感じられるシリーズ。続きを早く読みたいなぁ。2017/02/06
ぺぱごじら
20
「黒猫」を読んでからポオを読むべきなのか、ポオを読んでから「黒猫」を読むと違った景色が見えるのか、とこのシリーズを手にとる度に悩むが「ポオの話には『付き人』は出てこない」という単純な事実がポオを横に置いて「黒猫」を手に取らせる(笑)。論考に鋭さを増す付き人は、まるで塔の上に座る黒猫を追いかける白猫のようで、また黒猫は白猫が自分の横に辿り着く事を疑ってもいない。互いにそっぽを向きながら隠れた手を繋ぐような二人。いつか二人が並んで寄り添う姿を思い浮かべてしまう。デザートはやや甘過ぎかも(笑)。2016-1402016/10/13