出版社内容情報
ロイスに過去を思い出させた依頼。その先に待つ真実とは――血と記憶を追う冒険譚後篇
多崎 礼[タサキ レイ]
内容説明
ロイスが救った少年ルークはオルタナ王家の王子だった。彼に、4年前に行方不明になった娘ミリアムの面影を見るロイス。一方ルークもまた血の分析官になるという夢を抱きはじめる。そうして穏やかな日々を取り戻したふたりだったが、女王シルヴィアと反勢力の対立に巻き込まれたことで状況は一変する。ロイスとルークの過去に秘められた、残酷な真実とは?血に支配された国で葛藤する者たちを描く、贖罪と祈りの完結篇。
著者等紹介
多崎礼[タサキレイ]
2006年、語り部たちが島々を巡って集めた物語を披露する一夜を描いた『煌夜祭』で第2回C★NOVELS大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
99
悲しくて、切なくて、でも暖かくて愛おしい。いろんな思いがごっちゃまぜになって、何回も眼鏡を外して目尻を拭う羽目になった。最後までしっかり生きる。その健気で勇気ある決意に心が揺さぶられた。それにしてもこの物語世界がすごい。どうやって始まったものなのだろう、作者の設定はどうなっているのかとても興味がある。「完結編」とあるけれど、この世界の事をもっと知りたい。世界観が共通する先行作品があるらしいので、読んでみよう。追いかけたい作家さんにまた出会えたこの喜び。2016/09/06
ペグ
71
多崎礼さんの作品はなんといっても、美しくてロマンティックです。その美しさは言葉の使い方や性別を超えた登場人物も。主人公ロイスとグローリア姫の馴れ初めの場面はちょっと読んでいて恥ずかしかった〜最後のページ〜[走れ 走れ 走っていけ、子供達。光差すほうへ。虹の彼方へ。そこでグローリアに会ったなら、「愛している」と伝えてくれ。]〜さて、又別の作品で多崎さんに会いたいと思います。2019/03/25
眠る山猫屋
69
ミリアム!ルーク!くっ・・・絶望の果てにはやっぱり絶望しか待っていないと知っていても。ヴィンスの優しさ、ティルダの暖かさ。レイノルズの背負ってきたもの。過酷な真相を経てなお悲劇は続くし、ロイスは報われないようにも見える。けれどロイスは悽愴な過去と現代を生き抜いて、それでも前に進むよう背中を押された、ロイスを愛してくれた人々に。きっとヴィンスは生きていて、いなくなってしまった王子はグローリアとミリアムに虹の袂で逢っている。失われた子供たちを探す探索者ロイスがいつか彼らに追いつく日まで、待っているに違いない。2019/10/22
☆よいこ
67
完結編。血液の成分で身分や能力が決まる世界。4年前に行方不明になった娘ミリアムを探す探索者(サーチャー)のロイス。[Rogue/無名の英雄]人間を樹木化させる薬の材料を得るためにロイスは、ルークとティルダと共に採取に出かける。[This Woman's Work/血の記憶]ロイスの過去話。グローリアの記憶。[Into the Light/虹の彼方へ]ミリアムの真実とルークの運命。▽設定が入るととたんに面白かった。2019/05/31
papako
66
もう!救われるかと思ったのに! ミリアムも見つかって、ルークと3人で幸せに生きられるかと思ったのに!無理だとは思っていたんです。読者の勝手な希望だって。それでもね、ルークには生きて欲しかった。樹木化ローグに出会っていなかったら違ったのかしら。ロイスがルークを疑った時は、このボケ!と思いましたが、グローリアとの出会いとロイスの秘密が明らかになると見え方も変わって一気にラストまで。ヴィンスは生きてるってことですよね。ロイスが子供達を救えますように。血の三属性以外は、うん、素敵でした。良かった!2019/05/10