出版社内容情報
人類最後の生き残り、メニー・メニー・シープの200万人を待ち構えているのは何者か?
内容説明
「起きて、イサリ。奴らは撃ってきた。静かにさせましょう」―いつとも、どことも知れぬ閉鎖空間でイサリは意識を取り戻した。ようやく対面を果たしたミヒルは敵との戦いが最終段階を迎えていることを告げ、イサリに侮蔑の視線を向けるばかりだった。絶望に打ちひしがれるイサリに、監視者のひとりがささやきかける―「人間の生き残りが、まだいるかもしれないのです」。壮大なる因果がめぐるシリーズ第8巻前篇。
著者等紹介
小川一水[オガワイッスイ]
1975年岐阜県生まれ。1996年、『まずは一報ポプラパレスより』で長篇デビュー(河出智紀名義)。2003年発表の月面開発SF『第六大陸』が第35回星雲賞日本長編部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている。また、2005年の短篇集『老ヴォールの惑星』で「ベストSF2005」国内篇第1位を獲得、収録作の「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
141
<カルミアン風に>ダダー・一水のもと、ぐっしょり1巻に繋がった慧眼に、この構築物を昇降の基盤は、放出される新刊待機の過程で、断定する全巻確保の命題です。→ここから平常文。登場キャラ全てに愛を込めて「まったく君達ときたら、どこまで私を夢中にさせたら気が済むんだ?」←引用元は秘匿(笑)最初のページでいきなり奇襲攻撃・断章八九。断章五までは記憶あるものの、断章はあと八十以上あるのか?そしてロードしてマージされる地球人類代表の彼は誰なのか?<メララ風に>わたしらぁ、こがーなことらなりおっても生きよるアクリラに→2014/10/11
みっちゃん
108
このシリーズで初めて泣きそうになった。ああイサリ、矢広勇理よ、あなたこんなひたむきな思いで、この世界に現れたのね…カドムを見つめるあなたの胸中に、こんな想いがあったなんて…イサリの視点で改めて、第1部と同じ世界を見回すと「なるほど」と思う事が沢山あって、作者の構成力の妙に唸らされる。「ジャイアント・アーク」という題名も、色々考えさせられて、興味深い。しかしラストのカヨのセリフが…早くも次号が待ち遠しいわあ。2014/06/07
geshi
37
ⅡからⅦまでの話が第1巻に繋がる長い長い前フリだったのか!とうとうここに戻ってきたか!という感慨はひとしお。怪物的な外見とは裏腹に少女の心を持ったままのイサリが何を感じ何を考えていたのかが分かるごとに、辛さやもどかしさが伝わってくる。さすがに読んだのがだいぶ前なので内容を忘れている部分が多いが、作者もそれは分かっているようでパート1では情報の整理と語り直しの部分が多い。偽りの世界が壊れた先で、まだ見たことのない未来の姿がこれから描かれる堂々たる〝開幕”。2023/03/12
miroku
35
「メニー・メニー・シープ」のサイドB。ここではイサリたちの視点で出来事が語られる。哀しみはさらに深くなるが、希望も見える。急いで続きを読もう♪2016/08/01
あなほりふくろう
35
ついに第1巻の時点まで辿り着いた、ということに感慨しきり。これまでの経緯を踏まえてイサリ視点で語られるメニー・メニー・シープは当時何が起こっていたかへの答え合わせのようで、ああ成程等と感心し、又は余計に混乱しながらイサリとカルミアンの会話を、ラゴスたちの話を、フェオドールの独白?を読み進めていた。そんな中少々気になったのがラゴス。彼ら《恋人たち》が永らく追い求めるものが何なのか、彼にもまだ分からないまま語られることが多くなっている。もしや根源的なテーマに繋がる内容なのか。2014/08/28