内容説明
小惑星探査機“はちどり”が、トラブルのため地球に帰還できなくなった。テザーによる救出を打診されたゆかりは、その危険性から任務を拒否しようとするが、「レミソの恋人が“はちどり”に乗っている」と不自然な積極さを見せるマツリによって、事態は思いもよらぬ方向へ―無人探査機の救出ミッションを描く表題作ほか、国際宇宙ステーションでのテロとの闘い「対決!聖戦士VS女子高生」など全4篇を収録する短篇集。
著者等紹介
野尻抱介[ノジリホウスケ]
1961年三重県生まれ。計測制御・CADプログラマー、ゲームデザイナーを経て、1992年、ゲーム「クレギオン」の設定をもとにした『ヴェイスの盲点』で作家デビュー。2002年に上梓した『太陽の簒奪者』は新時代の宇宙SFとして絶賛を浴び、短篇版に続いて星雲賞を受賞、「ベストSF2002」国内篇第1位を獲得した。また2013年、『南極点のピアピア動画』で大学読書人大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラ
39
今回は短編集。やっぱり2000年ころってことで出てくるネタとかが懐かしいなと思いつつ。ムーンフェイスの話が特に面白かった。2014/05/11
巨峰
35
ロケットガール最終巻は3つの短篇と1つの中編でした。読み応えあるのは、やはり中編の「魔法使いとランデブー」実は、百合展開あるのだけど、百合とか言う前にこの二人姉妹やん!近親相姦的百合やんと思ってしまいました。普段は、考えない宇宙旅行や人工衛星、月、惑星、宇宙ステーションなどを楽しく読ませていだきました。読み終わるのが惜しいシリーズでした。2025/01/16
禿童子
33
ロケットガールシリーズ最終巻。最終話「魔法使いとランデブー」は、テザーとカイトを使った小惑星探査機の回収と、高高度の空気制動という意想外のアイデアに心躍る物語。地球周回軌道から人間がヨットの帆をあやつるようにカイトの仰角を調整して火の玉にならずに平穏に地球に帰還できる可能性は魅力的。ゆかりとマツリの異母姉妹の百合ムードも。2023/04/22
ドル箱
19
総評。野尻抱介が一番書きたかったのは「あくなき挑戦」と「ミライ」ではなかったのでしょうか。最終巻ではやぶさの事も書かれているが、大気圏投入シークエンスで、ガンダム張りの発想も考えるとは、野尻の宇宙に対する並々ならぬ想いが詰まった作品。結構、細かい解説をはしょった部分も多いし、結もあっけらかんとしているが、7年前の野尻抱介作品として、SFファンにとって、少し物足りないが「テーマ=書きたい事」が、しっかりしているので満足ですかな。さて最終巻である事を書きたいと2巻の感想で述べたのですが、2巻の67Pにある2014/08/31
miroku
18
最終巻は短編集。表題作は惑星探査機はやぶさネタ。ラストはどう考えても荒唐無稽なのだが……可能性はけしてゼロではないのだろう。大団円に満足。2014/06/04