出版社内容情報
栗本薫、椎名誠、山田正紀ら80年代の作品を中心に精選収録。オールスター傑作選第3弾
内容説明
日本SF作家クラブ創立五〇周年記念アンソロジー第三巻。一九八三年から一九九二年に発表された作品より、山田正紀の時空SF“神獣聖戦”シリーズ「交差点の恋人」、栗本薫の小説による社会批評ともいうべき「滅びの風」、森岡浩之のデビュー作であり、人工言語SFの名品「夢の樹が接げたなら」など十篇を収録。現代SF界をいまも牽引する作家が次々と誕生した躍進の十年の精華を届ける。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
流之助
25
Ⅰ、Ⅱに引き続きどの作品も面白かった!特に、「戦場の夜想曲」田中芳樹、「滅びの風」栗本薫、「火星甲殻団」川又千秋、「夢の樹が接げたなら」森岡浩之 が良かった。「戦場の夜想曲」は、時代は違うけれど銀英伝と同じ世界の話のようです。権力を持たざる者から、それを持つ者への皮肉たっぷりの眼差しが魅力的。「火星甲殻団」はスター・ウォーズの世界観に似ていてワクワクした。2016/06/26
亮人
25
今回も佳作ぞろいの第三巻。買ってすぐ巻頭から読みはじめたんだけど合わなくて今まで放置してましたが。文系SFの造語の連発はチョット苦手。白眉は草上。異星生物の生態を描きつつ、叙情的な作品に仕上げており素敵。中井も素晴らしい。SFとの境界線上の異世界小説だが、世界観の壮大さと人間のひたむきさが読ませる。田中の背景にある人類の恒星間戦争、谷の惑星文明発展を制御する異星勢力、森岡の言語学&脳科学、などもベスト級のSFネタで満足感でお腹いっぱいに。あとタチコマ&火星SFである川又も、長篇版をぜひとも探さねば!2013/09/24
ぐうぐう
23
SFとは、未来を描くジャンルではある。しかし、その未来は、書かれた時代の気持ちを如実に反映させたものだ。高度成長を達成し、日本が辿り着いたのはバブルという狂騒。『日本SF短篇50』第3巻は、まさしくバブルの時代と重なる。狂騒の中で、作家達が感じたのは、日本の栄華ではなく、不安だったようだ。栗本薫「滅びの風」がその象徴としての作品だろう。また、中井紀夫「見果てぬ風」の巨大な壁もまた、不安の表れとも読める。今という時代の気持ちを、未来に映し出すことこそが、SF作家の役割だと言わんばかりの第3巻。2013/08/31
白義
22
「これがSFだ!」という熱のあった前二巻と比べると「これもSFだ!」という感じ。いかにもなSFもあるが、精神、言語、はては異世界ファンタジーまで、SFに含みうるものならなんでも広げ、技巧も方法も多様化が進みひねった作品が多い。とりわけこの巻では中井紀夫の「見果てぬ風」が特に凄い。巨大な壁に囲まれた世界でその壁の果てを目指し歩き続ける男の異世界冒険譚なのだが、それだけの内容がもうめっぽう面白い。未知への探求心、憧憬、広い世界を歩む喜び、それら全ての原点が濃縮されて描かれている。異世界ファンタジーSFの大傑作2017/03/08
ひさか
19
1983年-1992年の10人の作家の10の短編を収録。この10年も素晴らしいと思える短編が収録されている。いずれも面白いし、当時の時代を反映する作品で感慨深い。2013/12/15
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