内容説明
ライザ・ラードナー、警視庁特捜部付警部。そして元テロリスト。自らの犯した罪ゆえに彼女は永遠の裏切り者となった。イギリス高官暗殺と同時に彼女の処刑を狙うIRFには“第三の目的”があるという。特捜部の必死の捜査も虚しく国家を越える憎悪の闇が遂に見せる最後の顔。自縄自縛の運命の罠にライザはあえてその身を投じる。過去と現在の怨念が東京迷宮で狂おしく交錯する“至近未来”警察小説、慟哭と死闘の第二弾。
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。在学中、清水邦夫、高橋玄洋に脚本・演劇を学ぶ。卒業後予備校講師として現国・古文・漢文の教鞭を執る。1988年『ミスター味っ子』で脚本家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
113
2015/6/3 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2017/9/8〜9/12 いやいや、後半は息をもつかせぬ展開。これまでに書かれていた細かいエピソードが次々と畳まれていく様は圧巻出会った。こんなにワクワクさせてくれる作品は、本当に久しぶりだ。 次のシリーズ(暗黒市場)も今から楽しみである。2017/09/12
セウテス
90
機龍警察シリーズ第2弾下巻。ライザの過去が語られ、その壮絶な人生に彼女を覆う哀しみに彼女が背負う罪に、彼女を想い本作に心を貫かれる。後半、一転変わってテロリストと沖津特捜部長との、ぴりぴりする様な頭脳戦に緊張が張り詰める。そして圧巻は、ドラグーンと敵機甲装兵との紙一重のバトルの激しさだ。散らばっていた伏線が本作で少しずつ繋がり、隠された謎と展開の鍵が剰りにも壮大な事に息をのむしかない。人の闇とそこにすら存在する欲と、警察SFミステリの根幹に確りとある心理描写や人間関係が、ラスト1行に集約されホッとする。2019/07/05
papako
73
これも再読。そうかぁ、ここから最新刊『狼眼殺手』への伏線がはられていたんですね。キリアン・クインの思考に迫る沖津部長と、姿警部に『俺を信じろ』がぐっとくる。このシリーズ、やはり話が進むほどに面白くなる。最新刊まで読んでの再読だと、ちょっと物足りない。ただ、ライザと緑の不思議な縁は、読んでいて胸が熱くなる。さて、次はどうしようか。2017/09/23
つねじろう
56
「もう何人殺したろうか」IRFに入隊してライザに付いた呼び名は<死神>そのライザを亡き者にする為に送り込まれたのは<猟師>に<墓守>に<踊子>とライザをテロリストに仕立て上げた<詩人>。信心深いライザは自殺出来ないがここでは言えない様々な原罪を背負ってるので任務で死にたいと思ってはいるが戦闘能力高く生き残ると言う複雑で面倒くさい設定。なので疲れてくる部分はあるものの機甲兵とのバトルは迫力充分で結構夢中になり最後まで来てしまう。ある本によりテロリストに導かれ、ある本により救われると言う読メ向きのネタもあり。2015/06/19
sin
54
関係がない人間ほどテロの標的としてふさわしい(関係のない人間はいない!)という思想がテロリストにあると以前聞いたことがある。反面この物語の中のテロは政治と個人の保身のための行為にしか思えない。しかし、たとえ思想が在ろうが無かろうが暴力は暴力であってなんら正当化されるものではない。物語はこれからも国際犯罪の日本国内への侵略を描いて行くのだろうが、どんな立場に在っても暴力を肯定する事は出来ない。いつの日か正義の刃は正義を逸脱する事になるのではないだろうか?2014/07/18
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