内容説明
少女は戦うことを選択した―人工皮膚をまとい、高度な電子干渉能力を得て再生したパロットにとって、ボイルドが放った5人の襲撃者も敵ではなかった。ウフコックが変身した銃を手に、驚異的な空間認識力と正確無比な射撃で、次々に相手を仕留めていくバロット。しかしその表情には強大な力への陶酔があった。やがて濫用されたウフコックが彼女の手から乖離した刹那、ボイルドの圧倒的な銃撃が眼前に迫る。緊迫の第2巻。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』でスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞受賞。マンガ原作やアニメ脚本も手がけ、ジャンルを越境して活躍。2009年、初めての時代小説『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞。ホームページは、ぶらりずむ黙契録(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
明智紫苑
105
『アノニマス』を読むまでの予習、いや、復習としての再読。ひょっとしてバロット、ウフコック、ボイルドの関係性って、『シュトヘル』のシュトヘル、ユルール、ハラバルの関係性の元ネタかなぁ? 何となく似ていると思ったのだが。カジノのパートは数学が苦手な私には理解出来ないが、「心理戦」が面白いか。2016/03/19
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
88
ウフコック…!可愛い、かっこいい、渋い、優しい!!欲しい!!でもバロットと同じ能力ないと意味ないかな。楽園の描写、アニメとほとんど変わらない。イルカがいいなあ。やんちゃで可愛い。サメが襲ってきたりグロいシーンもあるけど、なぜか嫌悪感は抱かない。そして後半のカジノの掛け合いが見所なんだろう。面白かった。あんまりカジノのルールとか知らないけど、なんとなく心理戦を読んでるだけで面白い。スピナーの女性かっこいい。最後のブラックジャックの行方が非常に気になる。前作といえなんて気になるところで終わるんだ。2015/06/06
ずっきん
84
前半のドSFステージで世界観の構築がより堅牢になり、後半のカジノステージの頭脳戦にヒリヒリしながら、ボイルドが敵役として凄まじい成長を遂げていく。あああ、面白い! さあ、ラストステージへ。2021/01/27
akira
62
カジノあたりから猛烈に引き込まれた。 それぞれのゲームのルールをよく分かっておらず、Google検索をかけながら読み進めだったが面白かった。 前巻よりもさらに感情豊かになるバロット。 どんどん魅力的になっていくのが分かる。(もしやあざとい?) そして運命的な出会いをするルーレットのスピナー、ベル・ウィング。 男の自分から見てもカッコいい。それにしても冲方本は女性が魅力的だ。「いるべき場所、いるべき時間に、そこにいるようにしな」 2013/02/16
nabe
61
オーバーテクノロジーに囲まれた永遠の箱庭。そこに留まる事を良しとせず再び舞台に上がろうとするバロットに鳥籠の男は諭す。それは野生だ。ただの社会的な野生動物だと。しかし彼女は是としない。ルールを守れば己が守られる世界ではなく自分でルールを選択する生き方を望む。台詞が文章が展開がいちいちカッコイイ。二巻の山場はカジノ。バトルじゃないのにとにかく疾走感がすごい。本当に心臓がドキドキしっぱなしでBetシーンを貪るように読んだ。もし中学生の時に出会っていたら確実にヤバイ病気を発症していたに違いない。例えばこんな⇒2015/06/14