内容説明
凡そこの世に非ず、別の世界より来たる者を忍びと云う―数多の次元世界を制する支配者集団「無限王朝」と戦い続ける、伝説の忍び「光牙」。その一人、零牙に与えられた任務は亡国の姫と幼君の護衛であった。亡命の旅路を急ぐ一行の行手に、無限王朝麾下の骸魔忍群が立ち塞がる。激突する機忍法、その幻惑の奥義の数々よ。生き残るは果たして光牙か骸魔か。絢爛たるゴシック世界、生と死の無明の狭間に展開する死闘の粋。
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。在学中、清水邦夫、高橋玄洋に脚本・演劇を学ぶ。卒業後予備校講師として現国・古文・漢文の教鞭を執る。1988年『ミスター味っ子』で脚本家としてデビュー。2010年『機龍警察』(ハヤカワ文庫JA)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
53
能力バトルが山田風太郎+SFテイストなニンジャ戦記。最初は戸惑い、そして微妙だなと思い、けれど言葉遣いの卓越さに魅せられ読了。うまく乗せられた(笑)初読みの作家さんでしたが、巧い。これを読んだ以上、都筑道夫御大のニンジャ・ファンタジー『暗殺心』を再読しないわけにはいかない!という気持ちを煽られています。2019/10/28
ヒロユキ
28
あの「機龍警察」の月村 了衛さんの忍者小説!うん…エンタメ小説としては良いですよね、読みやすい文章で適度にアクションがあってサクサク読めます…。しかし、あらすじを読んで期待しちゃうのは山田風太郎さんの忍法帖シリーズ…あのシリーズに比べると荒唐無稽さが足りなくてやや残念だったかな…。と言ってもよくできてるし、続編があるならぜひ読みたいものですな。2014/03/29
geshi
27
山風忍法帖を現代に再現させた正統後継作品。敵のキャラクター造形とネーミング、一応の理屈をつけたド派手な忍術バトル、外連味溢れる王道展開に、こういうのでいいんだよ!と言って賛辞を惜しみなく与えたい。1対1ではなく多数戦での忍術の組み合わせや、戦う相手による相性の変化、バトルフィールドの活用など、設定部分だけではなく戦いの魅せ方もグレードアップし、一気に読めるスピード感と盛り上がり。記憶を無くした〈光牙〉の悲哀を回収した泣きの展開も直球のザ・エンターテインメント。2016/06/10
bluemint
25
怪獣まで出てくる仮面の忍者赤影とサクラ大戦、枠組みはRPGと武道の団体戦。異世界での秘術を尽くした忍法合戦、科学的でありそうで幻想的な戦い。様々な要素を取り入れて面白いのだが、もう一つ没入できない。同じ著者の「ガンルージュ」は夢中になれたのだが。通勤中にさらっと読めて楽しめた。2018/03/28
アイゼナハ@灯れ松明の火
24
月村了衛2作目。月村版『仮面の忍者赤影』ってとこかしら?零牙を始めとする光牙衆とか骸魔衆六機忍とかワクワクする設定は好みなんですが、拠って立つ世界が「ここ、どこなんだ?」って感じが抜け切れず、ノリきれなかったのが個人的には残念。六機忍のネーミングセンスなんて、凄く好みなんだけどなー。2010/11/06