内容説明
岳志が発見した“14番目の御嶽”への祈りを通して、柚は「大地の炎が琉球を焼き尽くす」という神の予言を聞く。その頃、水深6000mの南西諸島海溝では深海調査艇“しんかいFD”の武田洋平が、巨大な人工構造物を発見していた。“14番目の御嶽”との類似を検証する科学者たちの目的は、地殻変動を食い止める唯一の鍵、南方が提唱する“ISEIC(圏間基層情報雲)理論”の実践にあった。だが、海底火山に噴火の瞬間が迫る。
著者等紹介
藤崎慎吾[フジサキシンゴ]
1962年東京都生まれ。米メリーランド大学海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了。科学雑誌の編集者・記者、映像ソフトプロデューサーなどを経て、1999年に長篇『クリスタルサイレンス』(ハヤカワ文庫JA)で作家デビュー。同書は「ベストSF1999」国内篇第1位を獲得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
18
2巻目/全4巻。共感覚を持つ主人公岳志は、巫女(沖縄語でユタ)の柚の声にシークワシャーの香りと木綿のふくよかさを感じたりするので、描写がやたらに文学的。さらに柚は神から「火を鎮めて琉球を救え」と神託を受け、共感覚と似てるがこちらは超自然の霊能力そのもの。一方、科学者グループの進める海底の地殻変動の調査は、最先端観測機器のディテールがやたらにリアルで、描写の対比が著しい。いよいよマグマに異常事態が起きて・・・。日本沈没というパニックSFになっていくのか?それとも深海底の生命誕生から推すと新人類SFなのか? 2014/05/03
あぶらや
9
ムヌチになった柚は「大地の炎が琉球を焼き尽くす。それを止めるために琉球の根を掘り起こせ」と神からの命令を聞く。 科学チームは新しい理論の実践により地殻変動を押さえようと観測に乗り出す。 しかし海底噴火が始まってしまう。 与那国の神と最新の科学理論。物語はスケールアップしていく。2018/10/22
けいちゃっぷ
5
途中に解説がはいるのも珍しいが、解説者が「空想科学小説」「空想科学小説」って連呼するのが目ざわりだ。SFはもはや空想科学小説じゃないんだよ。SFはSFであり、それ以外の呼称は(今のところ)ない。380ページ2011/12/05
しゅう
1
読むのが止まらない。A2021/12/17
せんにん
1
共感覚を持つ青年・岳志が発見した"14番目の御嶽"。柚はそこで「大地の炎が琉球を焼き尽くす」という予言を聞くことに…。SF超大作第2巻。少しずつ、少しずつ「変貌」していく世界。名実ともに巫女となった柚と岳志が惹かれ合うその先に…科学者達は何を見る?まだまだそれぞれのストーリーが独立していて、序章続く…って感じ。個人的にはホーマーと琉球がようやく繋がりワクワクしてきた。まだまだ…かなと思いきやラストで急展開。いよいよ始まる崩壊。破局。次も一気に読めそう。2020/06/16