内容説明
本書には、「曖昧な旅」「イモリの歯車」ほか不思議な紀行もの3篇を収めました。あのカメリも、福引きで当てたハワイ旅行に出かけます。“夢のハワイ”に―。北野さんならではの、どこか懐しくて、どこか切ない世界にひたってください。対象年齢、12歳以上。
著者等紹介
北野勇作[キタノユウサク]
1962年兵庫県生まれ。『かめくん』で第22回日本SF大賞受賞
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感想・レビュー
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ぜんこう
20
「曖昧な旅」「イモリの歯車」「カメリ、ハワイ旅行を当てる」・・・カメリの話のみ「カメリ」で既読。 いもり の登場が多めの連作ショートショートという感じ、しかもいい感じでした。相変わらずよくわからない話やけど(^^;) このどうぶつ図鑑シリーズ、図書館本でなければ、付録の折り紙で どうぶつを作れたし、カバー裏面(←図書館本なので確認不能)のジオラマで遊べたんやろなぁ。 とにかくシリーズ読了! 不思議な楽しさでした(誰もが楽しめるわけじゃないでしょうけど)2019/02/24
やんも
1
イモリとヒト、旅がテーマの最終巻。カルヴィーノ風な旅のショートショート。亡き妻にそっくりに作られたイモリと逃避行する男の物語。そして書き下ろしのレプリカメ、カメリアのエピソード。カメリアは甲羅に折り畳まれた記録の中のハワイへ行く。やはりかめくんと同じ構造なのだろう。ただ、カメリアの時代には、人類は滅んでいる。ザリガニの姿もないので、共倒れだったか、負けたのだろう。2013/03/21
gu
1
イモリには割と縁のある人生を送って来たのだけれど、ヤモリは現物すら見たことがなかったりする。どうぶつ図鑑シリーズで一番か二番目に好きな本。世界を「練りもの」として描いていることが多いように思う。「だが、どうせ最後が決まっているのなら、せめてそれまではおもしろおかしく語ることを心がけようとも思う。すくなくともそれを語っている間、お話は続いていくのだから。たとえそれが、ほんとうはとっくに終わってしまった昔話だとしても」2011/04/06
たこい☆きよし
0
北野勇作の短編を巻ごとにテーマ(どうぶつ)を決めて全6巻で出版する企画の6冊目。楽しい一気読みでした。2016/09/19
warimachi
0
今回の再読で最大の収穫だったのがこれの「曖昧な旅」。山尾悠子を思い出させる(ってろくに読んでないんですが)めくるめく幻想性にすっかり虜です。北野作品でもわりと異色かもしれません。2009/05/09