内容説明
本書には、「押し入れのヒト」「ヒトデナシの海」など、タイトルからしてどこかもの哀しいヒトたちにまつわる3篇、「ザリガニさま」ほか「生き物カレンダー」の9月から12月を収めました。北野さんならではの、どこか懐しくて、どこか切ない世界にひたってください。対象年齢、12歳以上。
著者等紹介
北野勇作[キタノユウサク]
1962年兵庫県生まれ。『かめくん』で第22回日本SF大賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイランド
59
北野氏の短編三作ショートショート三作。作者の小説を読んでいると、時々迷宮に迷い込んだような気分になる。小説の舞台は何時なのか、そして何処なのか、登場人物は人なのか何なのか。滅びの予感と正体のわからぬ怖さ。「ヒトデナシの海」のホラーの仮面をかぶったストレートな怖さ、「押し入れのヒト」のSFの仮面をかぶった怖さ。「ペットを飼うヒト」のじんわり包まれるような怖さ。怖さの正体はカタカナで書かれたヒトという存在なのだ。それは明らかに人間ではなく、訳の分からない存在。そのヒトが演じる何かの仮面をかぶった小説なのだ。2016/09/14
ぜんこう
18
「押し入れのヒト」「ヒトデナシの海」「ベットを飼うヒト」「生き物カレンダー(九月~十二月)」 ざりがに よりはヒトだな、この巻は。 でもヒトと言っても人間とも限らない。 ヒトデナシは『カメリ』のヒトデナシとは違ったけど、ヒトの代わりという意味では一緒か? ペットも、あのペットなの?という普通じゃないペットだし。 結局どの話もよくわからないんやけど、それが嫌ではない不思議(^^;)2019/02/24
梨
1
どれも味わい深いけど特に好きなのは『どーなつ』の後の話っぽい「ヒトデナシの海」。2009/11/14
warimachi
1
わりと濃いめの北野勇作が楽しめます。おすすめは「ペットを飼うヒト」。くだらなさとせつなさのダブルパンチでヘロヘロになります。2009/05/09
亮人
1
ざりがに折り紙カッコイイ。2007/11/16