内容説明
おりがみ付コンパクト文庫という形で表現。短篇20本、ショートショート12本をテーマ別に編集、全6巻に収録した。本巻には3篇を収めた。「手のひらの東京タワー」ではあの怪獣を、「蛇を飼う」ではあの超能力を、「シズカの海」ではあのロボットをテーマに、昭和という時代への奇妙な郷愁を描く。
著者等紹介
北野勇作[キタノユウサク]
1962年兵庫県生まれ。『かめくん』で第22回日本SF大賞受賞
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感想・レビュー
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ハイランド
50
どうぶつ図鑑「ねこ」と言っても三篇の小説の中で猫が出てくるのは最後の一作のみ。ゴジラに蛇に、最後に猫と少年。死んだ生き物達が不思議な形で生き返り、人の心に影を落としていく。やっぱり物悲しいホラーテイストな小説だなあ。2016/09/10
ぜんこう
20
「手のひらの東京タワー」「蛇を飼う」「シズカの海」、今回は笑えるような作品は無かった・・・ただ懐かしい題材というか・・・東京タワーだの、スプーン曲げだったり月面着陸だの大阪万博だの。 〈その3〉もそうやったけど怖い話も北野さん得意なのかもなぁ。2019/02/23
gu
4
最初に読んだときよりも「蛇を飼う」が印象に残った。「シズカの海」は北野勇作にしては珍しいくらい文章がかっちりしているのだけど、それにも関わらず北野作品のエッセンスが詰まっている。見える範囲の狭い子供の視野(古い記憶だからなおさら欠落の多い)を使って、あり得たかもしれない「SF」の世界を忍び込ませている。それも結局噂や空想の範疇に収めているのがとても巧い。2011/04/17
gu
3
「手のひらの東京タワー」初代ゴジラ公開時に東京タワーは存在していないことがポイントだと今さら気付いた。「シズカの海」はフィクションについてのフィクションの傑作。2021/06/09
うらさむ
1
のび太くん・・・2017/03/20