内容説明
姉川孤悲は地上に降り立った。新ガウディ建築群により構成された学園都市・井光、そこは、美貌の女性・塔あけぼのに支配される結界であった。謎の一族・塔家は、なぜ、日本の「国体」に敵対するのか。秘密結社アララギの隠された使命とは。霊的国防の任を託された孤悲は、国防隊の先鋭を率いて魔性の女あけぼのが待つ敵の中枢に攻撃を開始した。―多彩な登場人物が魑魅魍魎渦巻く世界で綾なすジャパネスク黙示録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CCC
6
学園ものと天皇論、妖魔、耽美の世界が混在して異様な雰囲気。ただ、それぞれの要素が溶け合っているというよりは、日本の体制を書こうとしているところにしろ、苛烈な加虐被虐性愛の描写にしろ、その時その時で興が乗った要素に注力している感じを受けた。そしてどの要素もカロリー高め。文章も凝っていて野心作という感じがする。2023/10/12
つかさちゃん
1
オカルト的伝奇から国家システム論まで。“あなたの中のあなた”としての、日本的“私”をより上位に託すシステムとしての天皇制。免疫システム。2009/04/12