内容説明
花と硝子の都アムネシアが、血と精液の国グユに滅ぼされて15年。グユの狂熱風雲王とアムネシアの王女のあいだに生まれた赤ん坊はひとりのたくましい若者に成長した―彼の名はグレン。アパポクワ族の村で育てられたグレンは、15歳になったいま、成人の儀式に参加しなければならない。だが、一方で彼をアムネシア再興の旗印としようとする者たちがいた…。中井紀夫が渾身の力をこめて描きだす大人のための神話物語第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ai
6
グレンが、英雄?豪傑?独裁者?の片鱗を見せつつある。オオウナギを倒して、ノーマルな英雄譚の流れに乗るのかと思ったら、そうじゃないからおもしろい。2023/11/26
タケミチ
0
これだけストーリーがあっちこっち飛びながらも、しっかりと頭に入ってくるのは、作者のしっかりとした文章力あってこそ。狂熱風雲王の老いていく姿は見たくない。2012/01/15
schizophonic
0
ことごとくこちらの予想をはずしてくるから、「これからどうなるんだ?」と先が気になる。どこにもない物語の真骨頂。2008/10/09
ラプター32
0
今回も中に水が溜まっていて鮫が住んでる 木、 といういかにも作者らしいものが出てきたり、カルピスウォーターとか写ルンですとかの国有名詞がこの世界観の中にいきなり出てきてビックリしたけど、そろそろこの世界にも慣れてきて刺激が少なくなってきた。グレンがいまいち魅力のない奴だから盛り上がりに欠ける一方で狂熱風雲王も年とって元気なくなってきたし、最初の頃のハイテンションはさすがに続かなかったみたい だ。 と思ってたら、最後の最後で淡々としながら も今後の怒漬の展開を予感させるラスト。次巻 以降が楽しみ。1997/08/07