内容説明
不治の病いの治療法を求めて、13世紀間という長い冷凍睡眠から目醒めた男が直面したのは驚異的な住宅難。地球のあらゆる地域をおおいつくした人類は、タイム・マシンを使って、ひとつの土地を時間単位で住みわけるまでになっていたが…。表題作「時間不動産」をはじめ、ヴィデオ・テープのダビングのように、あらゆる物質を、録物デッキでダビングして複製品をつくりだしてしまう「ダ・ビ・ン・グ」、煙草を喫わない人間が差別される世界の、煙草が喫えない男の悲劇「嫌煙権」など、SF短篇の魅力をあますところなく伝える書き下ろし短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラプトル
3
和製ディックとも呼ばれるSF短編の名手草上氏の書き下ろし短編集。1988年とかなり前の作品ですが今も色あせません。ウィットに富んだ文体は日本SFが元気だった時代を思い出させます。タイムマシーンと人工冬眠を絡ませた表題作。タバコを吸わない人が差別される世界の話。事前服役制度という刑事罰の応報性を皮肉った作品・・・。どれも珠玉の作品です。このころのハヤカワってすぐに絶版になるんですよね、残念です。2010/11/28
タケミチ
1
この中だと一番好きなのは表題作だけど、他の草上仁の短篇集と比べると満足度は少し落ちる気がする。2012/11/09
角
0
O2010/01/10
慧
0
★★1/2
マコト
0
国民不在を読み返すために読む。情報通貨アイユーとか、懐かしいです。2018/12/30