内容説明
地下シャトルで十分の裏街。根城にしている墓場の扉を開ける。扉に名前は出していない。幽霊は幽霊だ。名前はいらない。…板張りひと部屋の墓場。ミキサーのコンソールに腰を落ち着け、ちょっとした小品にフィニッシュの色香を加える。自分の固定機に入れて再生し、仕上がりを確認する。早い秋、高原の風。少しマイナーで、やけに軽いビート。OKだ。これでむこう2カ月の酒瓶は保証される。―マインドソフト・デザイナーのハードボイルドにみちた悲劇を描き、〈SFコンテスト〉入選後、話題を巻き起こした処女作「邪眼」を含む作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
13
一応この頃は早川のSFMも読んでいましたので、著者の短編も雑誌で読んでいました。 当時の流行りの小説でしょうが、当時から、いわゆるジェンダーに関する諸問題、著者の中であまり消化できていないというか、要はよく分かっていないという感じもあり、その弱点、ついて回りましたね。 結局この後の書き下ろし長編までしか読みませんでしたし。 こういう表現で良いのかどうか分かりませんが、当時のSFMの、今岡・巽路線、私はどうもこれじゃない感が強く、程なくSFMからも距離をとりました。 でも巻末の「風殻」は今でも好きですよ。1988/09/03
かとめくん
2
作品別では最後の「風殻」がよかった。主人公の生物に対する認識のずれが恐ろしくもあり、悲しくもある。表題作の「邪眼」も面白かったが無限のキャラクターが強烈なのが良かった。展開にはもうひと波乱欲しかったかな。2010/11/29
橘
1
読後20年経った今でも、殺人鬼だった少年が初めて感じた、生の人間の息吹を思い出す。それとも年月が経過したせいで、何か訴えかけるものを感じるのかもしれない。2014/05/06
1977年から
1
1990年
記憶喪失した男
0
SFマガジンセレクション’87で強くひかれた柾悟郎さんの他の短編が読みたくて、古本で手に入れました。残念ながら、デビュー短編に匹敵するような読むべき作品は表題作しかなかったです。




