内容説明
一樹は隣に横たわる冬子のむき出しの白い肌に目をやり、はたして、アンドロイドにこの感触を備えさせることができるだろか、と思った。―人間そっくりの芸能用アンドロイドの製造で、一介の産業用ロボットメーカーから、世界有数のロボット開発・製造メーカーへと急成長を遂げたアマノ技研の総帥・天野哲太郎の次なる野望は女性型セックス用アンドロイドの開発〈プロジェクト・ゼロ〉。異例の大抜擢を受け、プロジェクトを一任された大賀一樹だったが…。組織の中で、前代未聞の開発テーマに取り組む人びとを描く、異色ロボット開発物語り。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗姫
2
大真面目にセクソイドを作るストーリーを、10代の私も大真面目に読んだ。あの頃、充分に女性の代用を務められるセクソイドの存在は、レイプや売春を減らすひとつのソリューションになるのでは、と考えたものだが、甘かったね。嗜好の範囲を広げるだけで、人類最古の低コスト商売は(多分)なくならない。“ノウハウのマニュアル化”が事業の成功ポイントである、と昭和に刊行されたこの本に、はっきり書いてある。やっぱり立派なSF作品だ。2013/12/27
hideki
0
残念ながら、石川英輔の小説は、江戸時代ものを省いてほぼ絶版になっていますが、知る人ぞ知る秀作ぞろいのSF作家です。中でも、この作品はセクソイドの開発を扱った異色の作品で、ずっと昔、図書館で読んだのが懐かしく、中古を買って読み直しました。この方は多分理系の方で、テーマはセクソイドですが、中味は商品の開発ということをそのまま小説にしています。再読ですが、興味深く読みました。2015/10/28
山田喜三郎
0
かっこいいタイトルだが、エッチ目的の女性型アンドロイドの開発物語である。たぷんNHKの『プロジェクトX』の発案者は、これを読んでいたと思われる(嘘)。石川英輔は『大江戸~』系の作品もスケベ。江戸大好きのスケベじじいである(賛辞)。古本で手に入るが超高い。
プラス3
0
女性型セックス用ロボットの開発というマンガとかならよくあるテーマのSF。開発後の社会的影響の部分をもうチョット書き込んだらいい気がする。復刊を望む、そのときはカバーイラストの変更をお願いしたい。2012/04/04