内容説明
冷凍睡眠を使い、光速と比べられる宇宙船の速度を利用し、時間という盾に隠れて逃げつづけてきた永久逃亡犯。そして彼を捕え、火星の永久警察へ連行しようとする永久刑事。二人の乗りこんだ民間宇宙船が救難信号を受信したことから、敵味方であるふたりは難破船の捜索に赴いたのだが…「渇眠」、酸性雨が降りつづく都市で起きた連続殺人事件の謎を追う「酸性雨」、ひとりひとりのパーソナル・コンピュータが人格の一部になっている未来世界を描く「兎の夢」など、星雲賞受賞作家・神林長平の才気をあますところなくつたえる中篇4篇を収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
32
積読発掘本、あれ?こんな本あったかなと読み始めたら止まらない。やはり神林さんは好きな作家だと再認識。刊行は1987年だから40年以上も前の作品。再読だと思いますがほとんど忘れていたので(それでも渇眠での未来世界でのハードボイルドはなんとなく記憶にあります)楽しんで読みました。「渇眠」「酸性雨」「兎の夢」「ここにいるよ」の中編4編。昔の作品とは思えないSF王道を行く秀作揃いでした。85年にあの「戦闘妖精雪風」で星雲賞を受賞して一番張り切ってる神林さんが読めました。★42024/11/20
おーすが
14
「渇眠」「酸性雨」「兎の夢」「ここにいるよ」の四篇。時間の認知を扱った二篇が面白かった。とくに「渇眠」の海外SFのようなハードボイルドさに魅力を感じた。時間を利用して逃げる犯罪者、それを追う永久刑事という設定だけで大勝利なのだわ。心の翳りを昇華しつつも諦観するという展開は個人的にはすんなり読めて安心する。表題作はないが納得できるかっこいいタイトル。2021/09/18
どんまいシリル
4
初期に書かれた短編集。特に気に入った話は無い。神林長平コンプリートまであと数冊。帝王の殻に出てきたPABの原点があったりして、楽しめた。2015/07/25
ニョンブーチョッパー
3
★★☆☆☆ たぶん30年以上の積読本。「渇眠」は大友克洋「彼女の想いで…」みたいな印象。これはそういう時代性だったのかなと思った。「酸性雨」は「PSYCHO-PASS」に似ている印象。近未来刑事ハードボイルド物。2025/07/21
unknown
2
「あれ?読んだことあるな」と思ったら、先に読んでいた『鏡像の敵』に本作の大半が収録されていたからか、うっかりうっかり。『渇眠』の永久逃亡犯と永久追跡刑事の設定は後に『永久帰還装置』に、『兎の夢』のパーソナル・コンピュータ「PAB」のガジェットは後の『帝王の殻』に引き継がれるので興味深い。内容的には、短編だからというのもあるからかもしれないけど、ちょっと食い足りなさを覚えてしまった。SFファンタジーな『ここにいるよ』のラストの一節はイイなあ。2011/07/22
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