感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lighthouse Keeper
1
短篇6編。お気に入りは表題作:学生運動の活動家になりきれなかった僕は、活動家崩れで麻薬ディーラーの友人を手伝っていた。その友人の部屋で出会った家出少年、純は、麻薬による幻覚を現実化する特殊能力の持ち主だった。なぜか友人から無尽蔵に供給される麻薬のせいで能力は次第に増大し、純はふるさと北海道の原風景を再現することに没頭するが、同時に麻薬は純の身体と精神を蝕んでいく。純を案じた僕が、薬を与えるのはこれが最後と決めた日のこと、純はその能力を思いもよらない形で開花させる…。2012/09/18