出版社内容情報
少女スーズは村をグリフィンから守るため、
王に助けに求めた――ヒューゴー賞/ネビュ
ラ賞受賞作「二つの心臓」を含む2作を収録
内容説明
9歳の少女スーズは、子どもたちを襲う怪物グリフィンから村を守るため、ひとりで旅に出る。そして、かつてユニコーンに愛されたという老王リーアに助けを求めるが…。ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞の「二つの心臓」と、その8年後、妖精郷へと誘いこまれて姿を消した姉を探し、再び旅立つ彼女を描いた「スーズ」の中篇二作を収録。モダン・ファンタジイの最高傑作として名高い『最後のユニコーン』続篇、珠玉の中篇集。
著者等紹介
ビーグル,ピーター・S.[ビーグル,ピーターS.] [S.Beagle,Peter]
1939年ニューヨーク生まれ、ブロンクスで育つ。1956年、ピッツバーグ大学1年生の時、“セヴンティーン”誌の短篇コンテストにサリンジャー風の小品「テレフォン・コール」を応募し、大賞を受賞する。1960年、第一長篇『心地よく秘密めいたところ』を発表。2005年に発表されたノヴェレット「二つの心臓」(本書収録)で、ヒューゴー賞とネビュラ賞を受賞している
井辻朱美[イツジアケミ]
東京大学大学院人文系研究科比較文学比較文化専攻修了、白百合女子大学教授、歌人、作家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アナーキー靴下
60
「最後のユニコーン」の続きである「二つの心臓」「スーズ」の二篇収録(「二つの心臓」は『最後のユニコーン完全版』にも収録されている)。いずれも紛れもなく続きの物語でありながら、三作品はそれぞれが完結した、完成された物語でもあり秀逸。「スーズ」は一人称で没入できるフェアリーテイルかと読み進めると予想外の広がりを持つ世界。毛色も結末も全然違うがキャロル『不思議の国のアリス』を思い出すような、物語の大半はわかるようなわからないような不思議の連続で、最後はこれまた不思議な納得感をもってスッと終わってしまう。2024/08/05
新田新一
32
「二つの心臓」と「スーズ」の2編が収録されています。「二つの心臓」は怪物のグリフィンと闘う少女の物語で、「スーズ」は幼い頃別れた姉を探しに行く物語です。夢の中にいて虹を眺めているような幻想的な雰囲気を持った物語で、繊細で叙情的な文章に深く魅せられます。ビーグルの物語は幻想を描きながら、現実の世界に帰ってくるが特長です。逃避ではなく、ほろ苦い成長が描かれます。「スーズ」では主人公の旅の友が命を落としますが、それは彼女がこちら側の世界に帰ってくるために必要な事でした。読み手の魂を良い方へ変える力を持った傑作。2025/01/02
星落秋風五丈原
21
『二つの心臓』老いさらばえてかつての姿もない老王がグリフィンと戦うために死力を尽くし、いよいよという時にユニコーンがやってくる。いやあ実写化でみたいですよ!『スーズ』『二つの心臓』でも活躍した少女スーズが再登場。今度は彼女のパーソナルな話。前作との繋がりあり。2023/12/08
おだまん
7
最後のユニコーンの後日譚の二つの心臓、後半のスーズは新たなスーズの旅立ちの物語。やはり素晴らしいファンタジーと思う。マジック・リアリズム。なるほど。2024/02/06
ぷら
5
『最後のユニコーン』の続編、『二つの心臓』とその続編『スーズ』の二編。 『最後のユニコーン』と同様、正直に言うと少し読みにくかった。けれど…私はこの二編も好きだなぁ。胸がファンタジィで満たされる。 『二つの心臓』ではかつてのリーア王子とユニコーンが交わした遠い愛に再び触れた。 『スーズ』では西洋の民間伝承に多いと聞く妖精の物語を初めて読んで…ダクハウン、貴女が愛しいよ。 『最後のユニコーン』と同様、とても繊細で美しいファンタジィだった。2023/11/11
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