出版社内容情報
宿屋の老主人コートは伝説の魔法使い「王殺
しのクォート」の世を忍ぶ仮の姿であった。
彼の語る美しく凄惨な子供時代の記憶とは!?
パトリック・ロスファス[ロスファス パトリック]
山形 浩生[ヤマガタ ヒロオ]
渡辺 佐智江[ワタナベ サチエ]
守岡 桜[モリオカ サクラ]
内容説明
寂れた宿屋「道の石亭」の主人コートは炎のような赤い髪を持ち、「無血のクォート」「王殺しのクォート」など多くの異名で知られる伝説の秘術士の世を忍ぶ仮の姿だった。その正体を看破した紀伝家に促され、みずからにまつわる「本当の物語」を語りはじめる。それは美しく、残酷で、凄惨な子供時代の記憶からはじまって…発表されるやたちまち全米を熱狂の渦に巻きこみ、映画化も進行中の正統派本格ファンタジイ開幕!
著者等紹介
ロスファス,パトリック[ロスファス,パトリック] [Rothfuss,Patrick]
1973年アメリカ・ウィスコンシン州の生まれ。ウィスコンシン大学在学時から地元紙向けコラムの執筆や、ラジオのコメディ番組の脚本を手がける。7年以上かけて書き上げた“キングキラー・クロニクル”シリーズの原形が「未来の作家」コンテストで優勝し、“キングキラー・クロニクル”3部作として出版されるきっかけとなった。第1部である『風の名前』はクィル賞、アレックス賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miri
61
うらびれた宿屋の主人コートとその酒場に集まる常連客の会話を皮切りに、ほの暗いファンタジーの世界が始まるのですが、序盤は一体誰が主人公なのかもわからない混沌とした雰囲気。魔法や魔物という言葉が現れ、霧に隠されたように顕にならない主人公の謎。一転、コートの子供時代の話になると、煌めきに満ちたエネルギーのある話に。無垢な少年が伝説の秘術士になり、陰のある宿屋の主人に至るまでにどんな物語があったのか。前半のもつれた話と後半の溌剌とした話の運びの落差に戸惑うぐらいですが、非常に面白かったです。2020/11/13
瀧ながれ
27
その店の赤毛の亭主は、ある偶然から出会った紀伝家に、かつての姿を見破られる。そのため亭主は、紀伝家に自分の過去を語り始める。てなわけで、うしろ半分は亭主の昔話が延々と続く。これが、超絶に記憶力が優れているという設定の亭主らしく、スリリングで回想シーンだってことをしばしば忘れるおもしろさ。家族を奪われて孤独な子どもになってしまった彼が、これからどうやって、疲れた宿屋の亭主になってしまうのか、とても気になります。宿の働き手である黒髪の若者との関係も気になるので、お話が出会いのときに至るのを楽しみにしています。2017/04/23
しゃお
21
第1部を5分冊してのその1巻目なので、まさに導入部に過ぎません。しかしながら宿屋の主人が「無血のクォート」などいくつもの呼び名をもつ英雄で、そのクォートが語り始めた彼の物語には思わず引き込まれます。今回、ほんのさわりでしかないけれどすでに面白さは間違いない感じ。さっそく2巻目に突入したいと思います。2017/05/30
tom
20
書店をブラブラしていたら、この本が目に飛び込んできた。後書きを読むと、大人のファンタジー、優れものとの記載。それならと購入。でも、何だか気になって読メの履歴を調べると、ずいぶん以前にハードカバーで読了していた。でも、幸せなことに、記憶は消失、何も残っていない。この本を読み終えたのだけど、何一つ甦ってこない。面白いと思って読み終えた本でも、こんなことになるのかと、少々唖然。でも、面白いから次巻に続きます。2017/08/13
ネロ
16
表紙イラストに惹かれて読み始めましたが、なるほど面白い!始めは文章と人物のセリフがどこか癖があって硬くて読みにくいなと思っていたんですが、読み進めて行くうちに、慣れてきました。主人公のキャラが全然掴めなくて、そこも少し違和感感じたんですが、彼の物語が紡がれるうちにどんどんのめり込んでいって、いつの間にか夢中に。これは原書で読んだらきっとすごく美しい文章なんだろうなと訳でしか読めないことが残念な気持ちになりました。これから展開していくだろう壮大なファンタジーに期待が膨らみます。映像化も楽しみです。2017/05/17