内容説明
フェードルは、驚くべき姿を隠れ蓑にしていたメリザンドとついに対面した。王位を得るため女王を亡き者にする計画を語るメリザンド。暗殺の場となるのは、各国の王が一堂に会する君主会盟だ。危険を知らせねばと焦るフェードルだが、孤島の監獄に幽閉されてしまう。一度は絶望したが、奇跡の脱獄劇のすえイリュリアの海賊船に助けられた彼女は、人質交換を申し出る手紙を出すが…。華麗なる歴史絵巻、激動の完結篇。
著者等紹介
ケアリー,ジャクリーン[ケアリー,ジャクリーン][Carey,Jacqueline]
1964年、米国イリノイ州ハイランド・パーク生まれ。レイク・フォレスト大学で心理学と英文学の学位を取得。大学在学中に交換留学でロンドンに行き、書店で半年間働いたことをきっかけに、文筆業に入る。2001年に発表したデビュー作『クシエルの矢』で、ローカス賞第一長篇部門を受賞する。ミシガン州在住
和爾桃子[ワニモモコ]
慶應義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アイゼナハ@灯れ松明の火
10
ジョスランとフェードルの再会のシーンでは良かったなぁとしみじみ。しかし、これだけ名前が売れちゃうと、もう女王の懐刀のような活躍は難しくなっちゃうんじゃないかっていうのは余計な心配ですね。本当にお幸せに。第三部での再会が楽しみです。2010/04/26
deltazulu
8
女王陛下にたどり着くのにジリジリさせられまくって、危地へと向かって不安の中、最愛の人と出会えたときの嬉しさと言ったらなかった!不安を抱えながらも希望を胸に、陰謀を打ち砕いて、にもかかわらず生き延びるからメリザンドさんぱねぇ。いるだけで圧倒される。息つく暇もない怒濤の展開にページをめくる手がもどかしいほどだったけど、ひとつの山場を超えてからもなお見せ場があるからすごい。陰謀を打ち砕くために女王が見せた勇気は忘れられないなあ。まだ火種はあるけれど、最後にすっごい嬉しい出来事があって良かった。2010/09/23
t-snow
6
大冒険で手に汗握る展開が続いて面白かった! 再会シーンでは心から嬉しくなりました。振り返るとフェードルの辿った道筋とんでもなくて、よく帰り着いたなあ、と。帰国時のイサンドルが女王らしい格好良さ。追い詰めても追い詰めている気にならないメリザンドは本当に恐ろしい。2015/09/26
マナ
6
ジョスランがかっこいい!!再会のシーンは電車の中で読んでてひとりでにやけそうになって困りました。フェードルの神をも味方につける戦略に、彼女をまっすぐ愛することにためらいをなくしたジョスラン。それに毅然と敵に立ち向かうイサンドル。かっこいい人ばかりで読んでてすごく楽しかったです。ようやくこれでみんな幸せになれるみたいでよかったvvでも、3部への伏線もきっちり張ってあって、今から6月が楽しみです。2010/05/29
葉月あき
6
どうなるんだー!と思ったけれど、無事決着。終盤の逆転劇・フェードルとジョスランの関係等、大方がすっきり片付いて一安心。次は10年後の話になるらしい…つまり、今回はその存在だけが取りざたされていた「彼」も表に出てくることになるのかな。楽しみ。2010/04/25