内容説明
列国が激突したトロワイエ・ルモンの戦いは幕を閉じ、若き女王イサンドルのもとテールダンジュに一時の平和が訪れた。だが、女伯爵として所領で穏やかに日々を送るフェードルの心からは、処刑前夜に逃亡した謀反人メリザンドと、彼女がよこした血糊墨のマントのことが消えなかった―悲劇と権謀術数の渦をしなやかに乗り越えるヒロインの新たな旅が始まる。壮大な歴史を描きローカス賞を受賞した傑作シリーズ、新章開幕。
著者等紹介
ケアリー,ジャクリーン[ケアリー,ジャクリーン][Carey,Jacqueline]
1964年、米国イリノイ州ハイランド・パーク生まれ。レイク・フォレスト大学で心理学と英文学の学位を取得。大学在学中に交換留学でロンドンに行き、書店で半年間働いたことをきっかけに、文筆業に入る。2001年に発表したデビュー作『クシエルの矢』で、ローカス賞第一長篇部門を受賞するなど絶賛を浴びた。ミシガン州在住
和爾桃子[ワニモモコ]
慶應義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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アイゼナハ@灯れ松明の火
9
前作の経験から、このシリーズは続きが心配で待てなくなると判断し、3冊揃えてから読み始め。1巻目はメリザンド逃亡を助けた犯人探しの段ですが、そう簡単に尻尾をつかめるはずもなく、舞台はいよいよラ・セレニッシマ(ヴェネツィアのイメージ?)へ。存在感を増した“フェードルの野郎ども”や“許されざる者”たちといった味方は増えているものの、ヒアシンスがいなくてジョスランとの仲も拗れがちってのは心配だなぁ…でも、そんな痛みにも快楽を感じてるかも知れない主人公ってのは改めてスゴい設定だと思いました。2010/04/25
Kemmel
6
ドMな神様に選ばれた少女・フェードルを主人公としたシリーズ3部作の第2部1巻。宿敵メリザンドから送られてきた血糊色のマントをきっかけに宮廷に戻りメリザンドの行方を捜すが...。第1巻目の今作は「クシエルの矢」の1巻目同様に宮廷策謀劇に終始し、物語上の進展は少なめ。ジョスランとの関係も含め、フェードルが旅に出た今後に期待して次巻を読むことにします。。2011/08/26
こんこん
6
新たなる陰謀の幕開けとか、思いの外馴染んでる三騎士とか、いろいろあるんだけど、なんかこの一言に尽きる気がする。「がんばれジョスラン」。まじがんばれ。2010/08/18
しまみ
5
静穏な日々を捨てて陰謀術数の中へ戻っていくフェードル。敵の輪郭を描き出している第二部一巻です。葛藤を抱えるジョスランにちょっとイライラします。フェードルの野郎どもがちょっと和みます。2011/08/15
deltazulu
5
ああもうゾクゾクしちゃう。本当に信頼できる人は片手にも満たない中、笑顔で会話しながら内心を探り、時にナーマー様のご奉仕でもって、心中に入り込んでいくフェードルの手腕がたまらない。でもそのためにジョスランとの間に溝が出来て……正直辛かった。集めた情報から新たな地へと向かう行動力は、さてメリザンドの影を追えるのかしら。2010/09/08
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