内容説明
ついに青き薔薇の宝石ベーリオンのありかを探り出した聖騎士団の一行は、トロールのグエリグと対決した。その宝石を創ったグエリグの妄執は深くスパーホークは苦戦するが、真の姿を現わした少女フルートの力により、辛くもベーリオンを手にする。今こそエラナ女王を治癒し、司教アニアスとその背後のアザシュの陰謀を砕くときである。だが、一行は選挙までに聖都に着き、アニアスの総大司教就任を防ぐことができるのか。
著者等紹介
嶋田洋一[シマダヨウイチ]
1956年生、1979年静岡大学人文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タッキー
11
遂に女王復活の巻!この巻を含め残り2巻あるので、どういう展開になるのかと思って読みました。前巻の終わりでベーリオンを入手してから、この巻の序盤であっけなく国に戻り、そして女王復活の儀式へ。魔法のシーンは荘厳で厳粛な雰囲気が良かったです。その後は、大司教の座を巡っての政治的な攻防と都市防衛戦。決して面白くない訳では決してないけど、同作者のベルカリアード物語と比べて深みがなく、なんか淡々と進んでいく印象なのが残念。いよいよ次がラスト。フルートとの再会はあるのかも楽しみ。2021/09/19
ぎんた
2
エラナが回復。アニアスの総大司教への野望を打ち砕くのが痛快。しかし、ある種の人種の性格をこき下ろして戦争などで人とも思わせない記述がどうにも気になる。ベルガリアードだけかと思ったらこちらのシリーズでもそう。時代背景としてなのか、正と悪をキッチリ線引きするための手法なのか分からないけど。何かの力で作られた創造物ならともかく、人間、なんだよねぇ、と思ってしまう。そしてスパホークがあっという間にエラナに陥落しすぎΣ(・∀・ノ)ノ2015/11/19
nas
1
アニアスが選挙で総大司教に選ばれそうになるのを防ぐ話で今回は戦闘じゃなくて謀略系。「いいから早くぶっ殺そうぜ」的な話じゃなくて得票数を集めて合法的に阻止する話で。マロリオン物語でマル・ゼスに居たときにコレ系の話も書くんだなぁと思ってたけど、ここまで謀略オンリーで書くのは意外だったわ。まぁ、最後は力技になったりもするけど。あとタレンの意外な才能が発揮。タレンは実に優秀だな2007/08/19
よきかな
1
再読。初登場時からずっと毒で瀕死の状態で水晶の中に閉じ込められているので、薄幸の美女を想像するのだけど目が覚めた女王はいつものエディングス作品のヒロインでした。この巻は、フルートが名前しか出ないのでさびしいですね。2014/06/12
きいろ
1
序盤や中盤の「テンポがよくておもしろいけど山場がない」状況から一転して、展開が大きく動きます。大きな損害を想定した攻城戦での戦略的判断なども渋い。敵役も魅力的で、スパーホークとの直接対決はどうなるのだろうと続きが楽しみになります。2011/02/21