ハヤカワ文庫<br> 惑乱の公子

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ハヤカワ文庫
惑乱の公子

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150200893
  • NDC分類 933

内容説明

この世が平らかで、未だ神々が宇宙を再創世していない頃、妖魔たちは自らの気まぐれなゲームの駒として人間の運命を弄んでいた。その妖魔たち、人々はとりわけ5人の闇の君を畏れ敬っていた。1人は闇の公子アズュラーン、2人目は死の王ウールム、そして3人目は惑乱の公子チャズである。本書は、狂気の異名をもつチャズの御業の数々を綴ったものである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rinakko

6
うとりうとり、酔うように耽溺した。大好きだ。〈平らな地球〉シリーズ、続きのアズュリアズの物語も読まねば。2015/06/24

堆朱椿

3
翻訳が凄い。美しい世界を、これ以上は望めない麗しい日本語で読める。なんて贅沢。チャズも魅力的けど、やっぱりアズゥラーンが問答無用で美しい。発表当時は孤高の彼の恋愛に賛否両論あったかも?と想像するが、私は隅々まで堪能した。2014/10/30

Sasami

3
平らな地球シリーズ3作目。幻想的で優美で残酷で物悲しい。邪悪の権化美しきアズュラーンと、狂気の具現チャズの君のやり取りは、緊迫感があってドキドキした。愛を知る者と知らない者。どちらも切ない。アズュリアルがどんなに素敵に成長するのか気になる。2013/06/02

さんびーど

2
平たい地球シリーズ3作目。シリーズの共通テーマは尋常ならざる愛のひとことに尽きますが、今作で描かれたのは愛/狂気の相克関係でした。タニス・リーの物語る世界はまさしく、物語という形式でしか表現し得ない言葉で描かれた絵画みたいなもの。絢爛たる修飾語が血肉を成して、ものの本質は喩えというレンズを通して色とりどりの光線を生み出す。ときに過剰とも思える比喩と修飾に満ちた「この世ならざる文体」を見事に邦訳した浅羽莢子さんに最大の賛辞を。2013/07/29

madhatter

2
再読。本シリーズは、それぞれの作品の趣向が異なり、またそれぞれに独創的だが、物凄い僅差で本作が一番好きだ。最後に全ての物語が、優しい結末に向かって一条に繋がる仕掛けのためだろうか。この仕掛け自体が次作に禍根を残すのだが、それを知っていても、ラストシーンのチャズの台詞には、ある種の安心感をおぼえる。また、斯様な仕掛けを作り出せる彼は狂気の君主ではあるが、アズやウールム(ケシュはよくわからないが)に対して、最も冷静で明晰な君主の気がする。2011/07/13

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