出版社内容情報
大震災で崩壊したサンフランシスコ。視神経に作用し、視覚を発生させる謎の装置V Lをめぐる争奪戦の背後に隠された秘密とは!?
【目次】
内容説明
大震災で激変したサンフランシスコ。倒壊したベイブリッジは無数のホームレスに占拠され、廃材による建造物が密集する異形のスラム”橋”へと変貌していた。そこに暮らす運び屋の少女シェヴェットはARグラス「ヴァーチャル・ライト」を盗み出す。これには富裕層が利権の為に住民を排除する復興計画の秘密が隠されていて…。電脳空間のビジョンを示した〈スプロール〉シリーズに続く〈橋〉三部作、第一弾!
著者等紹介
ギブスン,ウィリアム[ギブスン,ウィリアム] [Gibson,William]
1948年、アメリカ・サウスカロライナ州出身。1984年刊、初長篇にして〈スプロール〉三部作の第一作『ニューロマンサー』は翌年にはネビュラ賞のほか、フィリップ・K・ディック賞、ヒューゴー賞も受賞し、「サイバーパンク」の代名詞的作品として知られるようになった
浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年生、2010年没、1950年大阪外国語大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
30
橋三部作の第一作。ギブスン復刊計画に乗っかり再読。 舞台は大震災後のサンフランシスコ。富める者は更に富み、持たない者はしたたかに逞しく生き抜く。物語は3人の視点で進行。 崩壊した橋に住み着く人々、バイクメッセンジャーの文化。イエスの再来たるエイズ聖人に、TV映画で信仰を深める教団。圧倒的な情報密度、大量のガジェットや未来観が楽しい。 肝心のヴァーチャル・ライトはマクガフィン的で大した意味はない。ギブスン作品の中では読みやすく物語も面白い。入門に最適。おすすめ。2026/05/12
塩崎ツトム
19
未来は、「今・すぐそこ」に迫っている。それは本来、過去のゆっくりとした堆積――キップルやトマソン、ミームの地層のもっとも上層部であり、未来を知りたければ、それの断面に現れる「デトロイト瑪瑙」のような輝きから、それを予見しなければならない。政治家やビリオネアの、ネクロフィリアな未来の押しつけではなく、現在を起点にした、過去と未来、双方向への時間の結晶……。2026/05/29
Jagrass03
2
あらすじに惹かれたのと、帯にある「ギブスン復刊計画」をささやかに応援するつもりで購入。『ニューロマンサー』を半分挫折したので不安だったが、そちらよりは読みやすく、固有名詞(架空と実在両方)の連発にやはり面食らいながらもなんとか読み切った。全編通して、読者の無知や誤った解釈を許さないような厳格さがあり、個人的には息苦しく感じることもあったが、現実に存在しない世界を描ききるならこのくらいの精緻な描写が必要なのだと思った。2026/05/16
🧟♂️
2
本作はビジュアルを意識した小説といえる。まるで映画の映像動作を赤裸々に文字で書き起こしたという具合にだ。そのビジュアルというのも、入念な取材で済むようなモノではなく、巨大地震で崩壊した近未来のサンフランシスコ、その中でも特に異様な廃材スラム街"橋"をテーマにする空想の産物である。そんな実在しないものをこれだけのディテールで賭けるのは作家ウィリアム・ギブスンの想像力、映画製作に関与するほどの経験がある芸術・建築への深い造形、そしてそれを文章に書き起こせる文筆が為せる技であろう。2026/05/12
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